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ジョセフピテラ弁護士の『家族や離婚にかかわるトラブル』かけこみ寺
家族や離婚にかかわるトラブルで悩むすべての方の力に。1994年以来の長年の経験と実績をもつジョセフピテラ弁護士監修で離婚や家族のトラブル、及びそれらにかかわる刑事事件を絡めながら問題解決に役立つ情報をお届します。さまざまな情報が飛び交うこの時代で正しい情報・知識を発信し迅速な問題解決につながるようお手伝い致します。
Vol.32 : 離婚裁判で知っておきたいこと 「離婚申請 ~ケース② 配偶者からの暴力~」
離婚裁判において、ご相談者さまから質問の多いトピックについてご説明します。知識がなく勘違いや失敗することも多々あるため、ご参考になれば幸いです。
離婚を考えているけれど、いつ離婚を申請していいのか分からない。すでに家族という形だけで夫婦間に愛情もなく、事実上婚姻生活が破綻している状況にいる方から、よく聞かれる質問です。離婚という文字が頭の中にあっても、子どもへの影響や経済的な問題など、さまざまな理由から決意できない人もいると思いますが、前回の「第31回 : 離婚裁判で知っておきたいこと 『離婚申請 ~ケース① 配偶者が薬物問題を抱えている~』」のように、暴力も薬物同様に非常に深刻な問題です。できるだけ早く離婚を申請した方がよいでしょう。
「暴力」と言っても、その種類はさまざまで、大きく3つに分けることができます。
離婚に至る理由として、身体的暴力を挙げるケースは多いですが、精神的・経済的暴力も決して少なくありません。いずれも程度の差があるため、人によっては我慢してしまうこともあります。
身体的暴力を振るわれている場合、裁判になった時、いつ、どこで、どのような暴力を受けたかを詳しく記録した写真・メモ・警察のレポートなどの証拠が必要になることがあります。もちろん、精神的・経済的暴力もできるだけ記録しておくことが賢明です。携帯電話などを利用し日頃からこまめに記録しておくようにしましょう。
配偶者による暴力が当たり前のようになっている状況で生活を続けることは、単に困難というだけでなく、精神を病んでしまったり、最悪の場合、命にかかわる事態になったりすることがあります。日常的な暴力で精神的に追い詰められた挙句、相手に「妻(夫)は頭がおかしい」と言われ、子どもから引き離され精神病院に入院させられたというケースもあるのです。
そして、家庭内暴力は子どもにも悪影響を及ぼします。暴力を見て育った子どもが、後に友人に暴言を吐く、問題行動を起こす、学校を退学になるなどして、結果、家庭が崩壊し離婚に至るということもあります。
このように、暴力が生む負の連鎖は多々ありますが、配偶者の暴力に悩んでいる人に共通しているのは、「いつか相手が変わってくれるだろう」「子どものためにきっと変わるはず」と期待していること。自分は何も変わろうとしないまま、相手だけにそれを求めても状況は変化しないことの方が多いです。変われるのは、あなた自身です。相手に期待できるなら、そもそもこんなに苦労していないはずなのです。
暴力に悩んでいる場合は、その種類や程度にかかわらず、まずは弁護士や医療・福祉の専門家に相談し、自分にできることから始めることを強くお勧めします。自分が変わる意志を持たなければ、ご自身や子どもを守ることはできません。
次回は、「ノー・フォルト・ディボース(無責離婚法)」についてご説明します。
※ケースは個々によって異なるため、必ず専門弁護士にご相談ください。
Updated on 2025/ 5/ 22
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Columnist's Profile

- 弁護士Joseph L Pittera(Law Office of Joseph L. Pittera)
1994年より法律全般に携わり、特に親権・養育費・DV問題、離婚に伴う財産分与など家族や離婚にかかわる家族法に関して豊富で幅広い経験を持つ。それだけでなく、刑法、破産法、会社法などの様々なケースを取り扱ってきた。他の弁護士事務所ではあきらめられてしまったような複雑なケースも最後まで根気よく対応している。
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※本コラムはJoseph L. Pittera弁護士による法律アドバイスを日本人パラリーガルが翻訳・編集したものです。
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