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ジョセフピテラ弁護士の『家族や離婚にかかわるトラブル』かけこみ寺
家族や離婚にかかわるトラブルで悩むすべての方の力に。1994年以来の長年の経験と実績をもつジョセフピテラ弁護士監修で離婚や家族のトラブル、及びそれらにかかわる刑事事件を絡めながら問題解決に役立つ情報をお届します。さまざまな情報が飛び交うこの時代で正しい情報・知識を発信し迅速な問題解決につながるようお手伝い致します。
Vol.33 : 離婚裁判で知っておきたいこと 「離婚理由を問わないアメリカの制度 ~ノーフォルト・ディボース~」
アメリカで離婚を考える際に知っておきたい法律の一つが、「ノーフォルト・ディボース(No Fault Divorce/無責任離婚法)」です。特にカリフォルニア州で離婚を検討している方にとっては、この制度の意味と特徴を理解することがとても大切です(「ノーフォルト・ディボース」を採用していない州もあります。アメリカは州によって法律が異なるため、他州での離婚手続きに関しては、必ずお住まいの州の資格を所持する弁護士にコンサルテーションを依頼するようにしましょう)。
「ノーフォルト・ディボース」とは、夫婦のどちらかが「離婚したい」と思ったとき、その理由に関係なく離婚申請できる制度です。つまり、相手に非があるかどうかは関係なく、申請した時点で法的なプロセスがスタートします。例えば、「性格の不一致」「価値観の違い」「将来のビジョンのずれ」など、誰かが悪いというわけではない理由であっても、離婚が認められるのです。逆に言えば、たとえ浮気や裏切りといった事情があっても、カリフォルニア州では、それが直接的に「相手が悪い」という判断にはつながらず、法的な優位性にもつながりません。
日本では、配偶者の不貞行為(浮気)やDVなどに対して慰謝料を請求するという考え方が一般的です。しかし、「ノーフォルト・ディボース」を採用している州では、こうした責任追及型の考え方は基本的には通用しません。そのため、「浮気した配偶者や浮気相手に慰謝料を請求したい」と考える方も多いかもしれませんが、カリフォルニア州の法律ではそのような個人的な感情が法的な効力を持つわけではないことを理解する必要があります。
「相手が悪くないなら、養育費も払わなくていいの?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、それは誤解です。「ノーフォルト・ディボース」は、あくまで“離婚理由に責任を問わない”という制度であり、養育費(チャイルドサポート)や配偶者への扶養費(アリモニー)などは別の基準で決まります。ここでは、結婚期間や子どもの年齢、双方の収入と支出などが重要な判断材料になります。生活水準の維持や子どもの福祉が優先されるため、支払い義務は法律に基づいて厳格に判断されます。
離婚のタイミングや条件については、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。法的な支援や保護措置を受ける権利が、あなたにはあります。離婚は感情的にも法律的にも大きな決断です。「ノーフォルト・ディボース」の仕組みを正しく理解し、自分や家族にとって最も良い選択をするために、信頼できる専門家に相談することが、何よりも大切です。
次回は「チルドレン・ファースト・ポリシー」についてご説明します。
※ケースは個々によって異なるため、必ず専門弁護士にご相談ください。
Updated on 2025/ 6/ 27
他の弁護士事務所であきらめられてしまったケースにも対応しています。
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Columnist's Profile

- 弁護士Joseph L Pittera(Law Office of Joseph L. Pittera)
1994年より法律全般に携わり、特に親権・養育費・DV問題、離婚に伴う財産分与など家族や離婚にかかわる家族法に関して豊富で幅広い経験を持つ。それだけでなく、刑法、破産法、会社法などの様々なケースを取り扱ってきた。他の弁護士事務所ではあきらめられてしまったような複雑なケースも最後まで根気よく対応している。
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※本コラムはJoseph L. Pittera弁護士による法律アドバイスを日本人パラリーガルが翻訳・編集したものです。
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