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今回は、離婚において最も大切なキーワードとも言える「チルドレン・ファースト・ポリシー」についてご説明いたします。これまでお話しした「離婚のきっかけ」と深く関わる考え方です。「チルドレン・ファースト・ポリシー（Children First Policy）」とは、離婚を考える際に、お父さんまたはお母さんどちらの立場でもなく、まず何よりも“お子さんの安全と生活を最優先に考える”という姿勢を指します。裁判所も、この原則に基づいて親権や面会交流などの判断を下します。

従って、親権や養育権を争う場合には、子どもの環境がいかに安全かつ安定しているかという点を的確に弁護士に伝える必要があります。以下のような事例は、特に重要な要素として扱われます。

• 一方の親が、子どもに対して怒鳴ったり脅したりする。またはものを壊す
• 子どもの前で夫婦げんかを頻繁にし、おびえさせている
• 言葉がまだ理解できない子どもに対し、手をあげる
• 子どもに対し、もう一方の親の悪口を繰り返し言う

こうした状況は、たとえ直接的な暴力が見られなくても、子どもにとって深刻な精神的ストレスになることを理解しておきましょう。

何より大切なのは、「子どものために」と思って我慢を美徳とし、自分が暴力や精神的虐待を受けながらも何もしないという“誤った自己犠牲”を正しいことと捉えないことです。自分が我慢すれば子どものためになる、そう思い込むことで気持ちが楽になることもありますが、実際にはそれによって親自身が精神的に疲弊し、子どももまた不安定になり、不登校や心の問題を抱える可能性が高くなります。

我慢を続けた結果、状況が悪化しすぎてからでは、離婚に対する正しい判断や行動が難しくなってしまいます。「もうこの人とは結婚生活を続けられない」。そう思ったときが、離婚を真剣に考えるタイミングです。正しい判断をするためにも、状況を客観的に記録し、弁護士に事実を正確に伝えることをお勧めします。