Column

カイロプラクティックは面白い!

Updated on 2012/ 6/ 29

Vol.2 : 成長のマイルストーン

子供の成長障害症 (自閉症、ADHDなど) における脳の成長遅れのサインは、かなり早い時期からその予兆を見せるものです。 この予兆は成長のマイルストーン (指標) を見ることによって、早い時期に予想でき対策も立てられるようになります。

科学者たちは、脳の成長のタイミングが壊れることによって成長障害症を引き起こすことは間違いないと理解しています。 しかし、その原因というのはいまだに解明できていないのです。 通常、感覚的な刺激と行動は、決していい加減な時期に起こっているわけではなく、感覚器は外的刺激 (視覚、聴覚をなど) を受け取り、その信号を大脳の特定な部分に送ることによって、その大脳の部分がこのときに発達を遂げるということを繰り返して成長をしてゆきます。 新しい機能がさらに新しい機能の発達を促す、この繰り返しです。 これは正確に脳内に組み込まれたスケジュールに沿って行われなければなりません。 ゆえに、このマイルストーンが重要な意味を持つようになるのです。 もしマイルストーンをチェックして遅れがあったならば、脳の成長過程のスケジュールが正常に機能していないということになります。 つまり、特定の脳の部分が成長する時期を外してしまったことになり、その後の全ての脳の成長へ影響を及ぼすことになってしまいます。

私たち、機能神経科カイロプラクター (Chiropractic Functional Neurologist) は、これらのサインをいち早く読み取り治療に役立ててゆくのです。

それでは、発達の過程によって起こる成長のマイルストーンを下記に挙げてみましょう。

【生後2ヶ月】
  • 頭蓋骨の頭頂後部隙間がふさがる
  • 腹ばいにしたとき頭を45度に持ち上げることが出来る
  • 近くにある物を見るようになる
  • 笑う
  • 音のした方に首をまわす
  • クーと言うようになる
  • 泣き方の違いによって意思を伝えようとする
  • 仰向けにして両手を持って起こしてあげると頭を持ち上げておきるようになる (起きない事をヘッドラグと言います)
【生後4ヶ月】
  • 体重が出生時の2倍になる
  • 座らせてあげるとそのまま真っ直ぐに座っていられる
  • 腹ばいにしたとき頭を90度に持ち上げることが出来る
  • ものに手を伸ばして触ろうとする
  • 物をつかんだり、離したりする
  • 物を口に入れることができる
  • 夜9時~10時間眠れる (プラス2回の昼寝)
  • 至近距離の視界がしっかりしてくる
  • 親とのアイコンタクトが増えてくる
  • ヘッドラグがなくなる (※ 4ヶ月を過ぎてもヘッドラグが残っていると、成長障害症になる確率が非常に高くなります。)
  • 大きな声で笑う
  • 仰向けからうつ伏せに転がれる
  • 手と目のコーディネーションがしっかりしてくる
【生後6ヶ月】
  • いろいろな音を出して意思の疎通をしようとする
  • 声色の違いに反応する
  • 物音のした方に顔を向ける
  • 話しかけると笑う
  • 手振り、身振りにて欲しい物を教える
  • 片手からもう一方の手に物を移せる
  • うつ伏せにて頭、胸を持ち上げられる
  • 夜6時~8時間眠る
  • 体重が出生時2倍になっていなかったら問題がある
  • 人見知りをするようになる
  • 動作を真似るようになる
  • 両親が分かるようになる
  • 落としたものを拾えるようになる
【生後8ヶ月】
  • 自分の名前が呼ばれると反応する
  • 4種類以上の音を言うようになる
  • ダ、バ、カなどの音を使う
  • 自分の声、親の声を聞くようになる
  • 聞いた音をまねしようとする
  • いないいないバーなどのゲームをするようになる
【生後9ヶ月】
  • 体重が1日15㎎くらい増える
  • ハイハイが出来るようになる
  • 長く座ってていられる
  • 親指と人差し指にて物をつまめる
  • 自分で食べ物を手で食べられる
  • 物を投げたり、振ったり出来る
  • 遠近感を持つようになる
  • 簡単な指示に反応できる
  • 名前を呼ばれると反応する
  • バイバイと手を振れる
【生後12ヶ月】
  • 体重が出生時の3倍になる
  • 背丈が出生時の1.5倍になる
  • 1~8本の歯が生えてくる
  • つかまり歩き又は、一人で歩ける
  • 一人で座ることが出来る
  • 親指と人差し指にてきっちりと物をつまめる
  • 夜は8時~10時間寝る、昼寝は1~2回
  • 自分の名前が分かるようになり、呼ばれると振り向く
  • ママ、パパと言えるようになる、そのほかに2~3の言葉を言えるようになる
  • よく知っている言葉を真似たり、動物のまねをする
  • 簡単な指示が分かるようになる、例えば、ここにいらっしゃいなど手を振ったり出来る、バイバイが分かるようになる
  • しっかりとしたアイコンタクトをするようになり、よく知っている人にはなつくようになる
  • ドアベルや、犬のほえ声などに反応する
  • 物と単語、名前が一致してくる
  • No の意味がわかってくる
  • 多くの言葉を理解するようになる
  • 物を指差すことが出来る
【生後18ヶ月】
  • 頭蓋骨の頭頂前部の隙間がふさがる
  • 走ることが出来るがぎこちない、よく転ぶ
  • いすに一人で座れる
  • 手を引かれて階段を登る事が出来る
  • スプーンや、コップを使って一人で食事が出来る
  • 物語を聞いたり、絵を見たり出来る
  • 1~2つ体の部分を言うことが出来る
  • 靴下、帽子、などを一人で脱げる
  • 5~10の言葉を使って話せる
  • もっとなどの言葉を使って欲しいということを表現する
  • 欲しいものを指を指して教える
  • 二つの言葉を合わせて話すようになる
  • 自分の知っているからだの部分を指しながら名前を言う
  • 自分のしている人たちや、物を写真で見て分かるようになる
  • 自分の知っているものなら言われたら取ってこれるようになる
  • 音まねや動物のまねがより正確に出来るようになる
  • 簡単な歌を歌ったり、ハミングできる
【生後2才】
  • ドアの取っ手を一人で回せる
  • 本を1ページずつ見てゆける
  • バランスを崩さずにボールを蹴れる
  • 床から物をバランスを崩さずに拾える (大体生後15か月くらいでこれはできるようになりますが、もし2才になっても出来ないと問題があります)
  • 大体歯が16本生えている
  • この年令で大人になったときの背丈の半分の身長
  • 服を自分で着れる
  • のどが渇いた、お腹がすいたなどを教えられる
  • 大人の視力になる
  • 2~3の単語を使って会話が出来る
  • 200~300の語彙がある、通常使用するのは約150語くらい
  • 欲しいもの、やりたい事を指を指すのではなく、言葉によって教える
  • “なぜ” という質問を頻繁にするようになる
  • 簡単な質問や、指示が理解できるようになる
【生後2才半】
  • 家族などの名前を覚えている
  • 語彙が400語ある
  • Yesの意味でNoと言う
  • 自分のことを “ぼく、わたし” など名前の替わりに呼ぶ
  • 短い文書で話せるようになる
  • 過去形や複数形を使って話が出来る
  • 少なくとも3つの色を識別できる
  • 大きい小さいの違いが分かる
【生後3才】
  • 話していることが他の人たちにも理解出来るようになる
  • 語彙は1000語
  • 少なくとも色の名前を1色は言え、色の違いがはっきり分かるようになる
  • 夜昼、男の子女の子、などの概念が理解できる
  • 2段階の指示、例えば、おもちゃを隣の部屋から取ってきて、この箱にいれて、など
  • 好きな歌を歌える
  • たくさんしゃべる
【生後4才】
  • 身長が出生時の2倍に成長する
  • 片足にてバランスを崩すことなくジャンプできる
  • ボールをオーバーハンドにて投げられる
  • 絵などをはさみを使って切り取ることが出来る
  • 語彙は1500語
  • 4~5個の単語を使った文章にて話せる
  • Who、What、Whereの質問が理解できる
  • 円、四角などの基本的な図形を識別できる
  • 想像、概念を話し始める
  • 図形、直線などを描きはじめる
  • 短い物語を集中して聞けるようになり、質問に答えられる
  • 学校、家庭にての会話がしっかり聞けて分かるようになる
【生後5才】
  • 語彙2000語
  • 5~6の単語を使って話を出来る
  • 複雑な文章形を使って話が出来る、例えば、原因と結果、時間の関係を表したりして表現できる
  • 過去形、現在形、未来系の文章を使い分ける
  • 10まで数えることが出来る
  • 物が何でできているか、何に使うものかを理解出来るようになる
  • 物の空間的な関係が分かってくる、遠い、近い、上、下など
  • 反対という概念が理解できる、硬い、軟らかい、長い、短いなど
  • 知識を得るために質問をするようになる
  • 自分の右、左が分かってくる
  • 自分の感情、夢などを表現できる
  • 例を示せば、文字をコピーできる

このように、子供の成長過程には一つ一つ、決まった時期に起こらなければならないマイルストーンがあります。 このマイルストーンは、遅くても早すぎてもいけないものです、ご心配な点があれば是非ご相談ください。

子供たちへの治療は、背骨の調整はもちろん、成長の障害になっている要因を調べます。 例えば、ある時期にあってはいけない反射を調べ、それを消してゆき成長を促すなど、多岐にわたります。

子供が心身共に健やかに育って欲しいというのは親として、私たち大人にとっても大きな願いです。 薬物などの化学療法ではなく、体の不調和を治す事によってより健康な成長を起こしてゆきたいと思っています。

Updated on 2012/ 6/ 29

お問い合わせ、ご相談はこちらからお気軽にどうぞ。

Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

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