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日本の精神医療・心理学の遅れが原因で、日本人はたとえ心の病になったとしても正しい治療を受けなかったり、アメリカのように当たり前になっていないので受けようと思わなかったり、受けたとしてもひどい治療や自称心理カウンセラーから詐欺のようなサービスを受けたという方がほとんどです。中には、自分の親が原因で心に大きな傷を負ったまま自らも親になってしまう方も非常に多く見受けられます。残念ながら、これは子どもにとっては非常に危険なことです。

子育てとは、生活のさまざまな場面で子どもに試されます。

「僕のことを愛してくれる？」
「私のこと見てくれている？」
「僕の話を聞いてくれる？」
「私と一緒に遊んでくれる？」

脳が発達しきっておらず、言葉を大人のようにうまく使えない子どもは、さまざまな形で上記のようなことを親に問うてきます。それに対して、健全に育てられず、トラウマを抱えたまま親になってしまった方にとっては、自分のことだけで子どもを一番に考える余裕がなく、結果として子どもにも自分が受けてつらかった同じトラウマを与えてしまうことになります。

もし親からのトラウマを抱えているのでしたら、できるだけ早く治療したほうが子どものためになり、自身も毒親にならずに済むことでしょう。

親の大事なタスクの一つに、線をしっかりと引くことがあります。線引きとは、「〇〇」はやっていいが「□□」はやってはいけないということを明白にし、子どもに伝え子どもにそれを守らせることです。

しかし、残念ながら「子どもが欲しいもの・やりたいことを全て叶えてあげるのが親の責任」と誤解し、文字通り全てを与えてしまう親御さんを見かけます。年齢によって程度に違いはありますが、与えすぎていればそれが当たり前になります。家庭で全て与えられているのであれば、同じことを家の外で求めるのは当然です。しかし、学校などの社会では全て与えられるわけではなく、我慢しなくてはいけないことが多々あります。残念ながら、家庭で全て与えられている子どもにとって我慢するのは非常に難しく、多くの場合において不登校や学校での問題行動等、生活の支障につながっていきます。

親として、子どものやりたいこと・ほしいもの全てを与えることだけが愛情表現の方法ではないことを学ぶのも重要でしょう。