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カイロプラクティックは面白い!

2015年 9月 1日更新

第39回 : 五感 - 味覚

画像元: www.Positivemed.com

味覚は、舌中に散らばる「味覚器(Taste Bud)」と呼ばれる味覚器官に、食べ物の化学物質が咀嚼した時に唾液に溶け出し、味覚器(Taste Bud)を刺激して脳へ信号を送り、それを脳が認識して起こる感覚です。この化学的な感覚に、食べ物を咀嚼したときに起こる香りや臭いが加わり、嗅覚に働きかけて、より複雑な風味や味を作り上げていきます。例えば、チョコレートを食べたとき、舌には「甘い」という感覚が感知されますが、甘い物にも色々な種類があります、チョコレートの香りが鼻に到達し感じられたときに、初めて「これはチョコレートだ」と分かるのです。つまり味は、臭いがないと感じられなくなってしまうのです。私たちは生まれたときに1万個の味覚器(Taste Bud)が舌にあるといわれます。しかし50才を過ぎると、この味覚器(Taste Bud)の数は徐々に減り始めます。

味覚の統計学的事実
  • ある実験によると、アメリカ人の約25%の味覚が、非常に鈍い「ノンテースター(Non-Taster)」、50%が中位の味覚の持ち主である「ミディアムテスター(Medium taster)」、そして残りの25%が非常に鋭い味覚の持ち主「スーパーテスター(Super taster)」だそうです。
  • 毎年約20万人が、味覚障害のため医師にかかっています。
  • 味覚器(Taste Bud)は、体の中で唯一、一生涯常に新しい細胞に更新される感覚器細胞です。味覚器(Taste Bud)は約10日で新しい細胞になります。

味覚には3つの脳神経が関係しています。三叉神経(Trigeminal nerve CN5)、顔面神経(Facial nerve CN7)、舌咽神経(Glossophlangeal nerve CN9)という神経が味覚を形成しています。

少し前までは、味には4つの種類「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」があると言われていましたが、最近ではもう一つの味が足されて5つの味があります。5つ目の味は「旨味(Umami)」で、これはグルタミン酸の味です。

また、この5つの味を感じる感覚器は、舌の特定の部分に特定の味を感じる所があると言われていました。例えば甘味は舌先、塩味は舌の横の部分などと言われていたのですが、現在は、全ての味覚器(Taste Bud)が舌全体に散らばっていて、ここが甘味、あそこが塩味という特定の部分はないという方が定説になっています。

この味覚器(Taste Bud)または味覚神経などが、何らかの原因で障害を起こしたときに、味覚障害になります。

味覚障害の原因
  • 中耳の感染症
  • 呼吸器障害
  • 頭や首の癌の放射線治療
  • 特殊な化学物質からの影響
  • 頭へのケガ
  • ある種の耳、鼻、のどへの手術
  • 歯科問題
  • ある種の薬物
味覚障害症状
  • 最も多い症状は、幻想味覚(Phantom Taste Perception)で、口に何も入っていない時でも不快な味が感じられる症状です。
  • 5つの味覚が鈍く感じられるようになる症状は、味覚減退症(Hypogeusia)です。
  • まったく味が感じられなくなる症状は、無味覚症(Ageusia)です。これは稀な症状で、ほとんどの場合、味覚をなくしたというよりも、嗅覚をなくすことにより味を感じなくなったということが多いそうです。
  • 異味覚症(Dysgeusia)は、クサい、または金属の味が口の中に慢性的に残っているような症状です。病気としては稀で、以下のようなさまざまな原因で起こります。
    • かぜ、鼻や副鼻腔の感染症
    • 喫煙、特にパイプでの喫煙
    • 歯槽膿漏
    • 歯周病
    • ドライマウス
    • ビタミンやミネラル不足
    • 脳腫瘍
    • 味覚神経へのダメージ
    • うつ病
    • 偏頭痛

年齢を重ねていくと、味覚器(Taste Bud)の数自体も減り、味に対して鈍感になっていきます。 このような変化は、特に甘味や塩味に大きく出て、酸味や苦味は影響が少ないのです。つまり年を取ると、だんだんと食べ物の味が酸っぱく苦味を強く感じてしまうことになります。

食べ物の味がしっかり感じられなくなることで、食欲がそそられなくなり、食べる量が減り、栄養分も減ってしまいます。味覚・嗅覚障害は、神経が諸々の原因によってダメージを受けたり、機能の低下を起こした症状です。早期に対応をして、症状の進展を遅らせることが大切です。

2015年 9月 1日更新

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Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

“Hiro Sugawara, D.C.”について詳しくはこちら。

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