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顕在意識と潜在意識③ 感情で大ブレ? 善悪の判断なし?「潜在意識」の6つの特徴
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顕在意識と潜在意識⑤ 潜在意識から見た人間関係

心のケアと癒しに役立つ臨床心理のここだけのお話

心理カウンセリングやセラピーをしている中で、心の悩み、成長、癒しに関するいろんなトピックが出てきます。このコラムの中でその事をより多くの方にシェアして、皆様のお役に立てれればと思っております。

Updated on 2025/10/ 31

Vol.50 : 顕在意識と潜在意識③ 感情で大ブレ? 善悪の判断なし?「潜在意識」の6つの特徴

人間の心を理解する上で、「顕在意識」と「潜在意識」は非常に重要な2つの領域です。この2つがバランスよく働くことで、心と体の健康を保ち、自分らしい生き方を実現することができます。「第48回: 顕在意識と潜在意識① あなたが考えていること、それが『顕在意識』」から、数回にわたって、顕在意識と潜在意識について詳しくお伝えします。今回も、前回「第49回:顕在意識と潜在意識② 感覚・直観・記憶が生まれる心の領域『潜在意識』」に続き、潜在意識に焦点を当て、その特徴を詳しく解説します。

潜在意識の6つの特徴

前回は、潜在意識が私たちの行動や反応に大きな影響を与えることを説明しました。今回は、潜在意識が持つ6つの特徴を一つずつ取り上げ、分かりやすい日常の例を交えながら解説していきます。

1. 記憶の保管庫

潜在意識は、幼少期から現在に至るまでの膨大な記憶を保存する「保管庫」です。特に、強い感情や危険を伴う出来事は深く刻まれます。

<例>
小さい頃に犬に噛まれた経験がある人は、大人になっても犬を見ると理由なく怖さを感じることがあります。これは理屈ではなく、潜在意識が「犬=危険」と記憶しているからです。つまり潜在意識は「忘れたつもりの体験」を保管し、似た状況が来ると反応を引き起こします。

2. 習慣化・自動化を生む

繰り返された行動や反応は、潜在意識に自動化されます。これによって脳の負担を減らし、効率的に行動できるのです。

<例>
自転車の乗り方や車の運転を思い出してみてください。最初は意識してハンドルやペダルを操作していましたが、今では自然に体が動きます。これは潜在意識が操作を「習慣」として保存したからです。ただし、ネガティブな習慣も同じように自動化されます。例えば「ストレスを感じたら甘いものを食べる」パターンが続くと、やめたいと思っても反射的に手が伸びてしまいます。

3. 感情に左右されやすい

潜在意識は理屈よりも感情に大きく影響されます。感情を伴った出来事は強く刻まれ、次の行動を左右します。

<例>
プレゼンで失敗して恥ずかしい思いをした人は、「また同じ状況になったらどうしよう」と不安になり、人前で話すこと自体を避けるようになるかもしれません。逆に小さな成功体験、例えば「思い切って声をかけたら会話が弾んだ」などは、潜在意識に自信として残り、次の行動を後押しします。このように潜在意識は「感情の増幅装置」とも言えます。

4. 善悪の判断をしない

顕在意識は「これは良い」「これは悪い」と判断できますが、潜在意識にはその区別がありません。与えられた情報や環境をそのまま受け入れてしまいます。

<例>
家庭で「お金は苦労しないともらえない」と繰り返し聞いて育った人は、無意識に「お金を得るのは大変なこと」と思い込み、豊かさを受け取ることに抵抗を感じるようになることがあります。潜在意識は環境の影響をダイレクトに受けるため、周囲の人や言葉の影響力は非常に大きいのです。

5. 時間感覚がない

潜在意識には「過去」「現在」「未来」の区別があいまいです。過去の体験が、まるで今起きているかのように感じられることがあります。

<例>
交通事故の経験を持つ人が、再び同じような状況に遭遇すると、心臓がドキドキし手が震えることがあります。実際には事故は起きていなくても、潜在意識は「過去の記憶」を現在に再現してしまうのです。一方で、良い記憶も同じように再体験できます。例えば、結婚式での幸せな瞬間を思い出すと、今も胸が温かくなるのは潜在意識に時間感覚がないからです。

6. 創造性と直感の源

潜在意識は、ひらめきやアイデアを生み出す源泉でもあります。理屈で考える顕在意識だけでは思いつかない発想は、潜在意識が持つ自由で柔軟な働きから生まれます。

<例>
夜寝る前に悩んでいた問題が、朝起きたらふと解決策が思い浮かんだ、という経験はありませんか?これは潜在意識が眠っている間に情報を整理し、新しい答えを提示してくれた例です。ただし、潜在意識は不安を増幅することもあります。「失敗したらどうしよう」と考え続けると、潜在意識がリスク回避のシナリオを膨らませ、行動を止めてしまうのです。

まとめ

潜在意識は「記憶の保管庫」であり、私たちの行動や習慣を支えるだけでなく、感情を強めたり、時間を超えて体験を再現したり、直感や創造性を生み出したりする重要な領域です。しかし一方で、善悪の区別をせずに情報を取り込み、ネガティブな体験や習慣をそのまま保持してしまうという側面もあります。だからこそ、潜在意識を正しく理解し、前向きな記憶や習慣を育てることが大切なのです。潜在意識は無意識のうちに私たちを支配する存在でもありますが、味方につければ人生をより豊かにしてくれる強力なパートナーとなります。

Updated on 2025/10/ 31

皆さんのご意見、ご相談等ございましたら以下までご連絡ください。

info@internationallifecycle.com

Columnist's Profile

インターナショナル ライフサイクル ファミリーセラピー(International Lifecycle Family Therapy Inc.)

CA州心理士免許(LMFT)と博士号を持つ経験豊かな2人のセラピストによる心理カウンセリングオフィス。多くの方々のより良い心の健康を目指し、個人、カップル、家族の心理セラピー/カウンセリングを日本語および英語で提供している。仁科盛次郎(心理療法士、LMFT#50945)および菱谷有希子(心理療法士、LMFT#53262)はCA州公認のマリッジファミリーセラピストで、専門は家族・カップル間のコミュニケーション、異文化や多文化における問題、思春期における心理やアイデンティティ問題、薬物依存治療など。多種多様な家族療法を取り入れたアプローチや、物の見方を変え解決方法の発見へと導くアプローチ、催眠療法などの潜在意識セラピーを提供。また、両者ともに移民難民、性犯罪にかかわる青少年更生、薬物リハビリテーション施設での経験を持つ。大学院講師としての活動及び後輩育成にも精力的に取り組んでいる。Youtube「カリフォルニアから心の癒しチャンネル」にて心にまつわるビデオ公開中。

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