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11月の農事メモ

11月の農事メモ

 市民農園、家庭菜園向きに野菜栽培情報を毎月配信しています。
 11月8日は「立冬」、暦の上では冬となります。また、11月は霜月(しもつき)と言われるように霜が降り始める季節です。霜は地表付近の温度が0℃前後になると降り始めます。晴れて風が穏やかな放射冷却が強い朝は、気温(地上1.5mの高さで観測)5〜6℃程度で霜が降り始めます。寒さに弱い作物は早めに収穫しましょう。
 また、木枯らしが吹き始める時期でもあります。強風で畑においてある資材等が飛ばされないようご注意ください。
 今回は、1.今月収穫期をむかえる作物 2.今月植え付け適期をむかえる作物  3.今月の作業について紹介します。


1.今月収穫期をむかえる作物
 9月下旬〜10月上旬蒔きの葉菜類(コマツナ・ホウレンソウ・チンゲンサイなど)は、種まき後約1か月で収穫適期となります。ダイコン・ニンジン・サトイモなどの根菜類も収穫適期を迎えます。

?サトイモ
 種イモの上に親イモができて、その周囲に子イモがたくさんできます。赤芽やセレベス、八ツ頭などは親イモも食べられています。子イモとはまた違った食感があります。
 収穫は、初冬に入り薄霜に1〜2回遭い、葉が少し霜枯れしてきたころに行ないます。このころになると、イモは完全に肥大し終えて充実してきます。収穫が遅れると寒害を受け、品質が劣るばかりか、貯蔵の日持ちが悪くなってしまいます。
 収穫の手順としては、晴天の日を選び、まず地上部を地面から4〜5cmぐらいの高さで鎌や包丁などで刈り取ります。小イモや孫イモをはずさないように、株全体をスコップなどで丁寧に掘り上げます。すぐに食する場合は、その場で子イモや孫イモを親イモから外します。
 収穫が少量の場合は掘り上げた後、日陰で数日干して表面を乾かした後、子イモをはずします。低温になると味が落ちるので、外したイモは新聞紙などで包んだり、モミガラの中に入れダンボール箱に入れて保存します。貯蔵適温は10℃前後、5℃以下になると腐敗します。
 
?秋ジャガ
 8月下旬〜9月上旬に植えつけたジャガイモは、11月下旬ごろから霜にあたると茎葉が枯れ始めてきます。茎葉が元気な間はイモが太り続けているので、十分枯れてきたころで晴天が続いている日を選んで収穫します。収穫後のイモは、表面がぬれたまま積み上げると腐りやすく、光に当てると緑化して品質を損ねるので、収穫したら積み上げないようにして、日陰で乾かします。

?ダイコン・ニンジン・カブ
 作物の様子を見て大きくなったものから順次引き抜いて収穫していきます。抜けにくい場合は、少し回しながら引くと抜けやすくなります。
 カブは品種によって収穫するサイズが異なりますが、小カブは直径4〜5cm、日野菜カブは直径2.5cm、大カブは15cmに太ったころを目安に収穫します。収穫が遅れるとす入りや烈根(根が割れる)が生じます。

?ハクサイ
 種をまいた時期が早いもの、生長期間の短い早生品種から順に収穫の時期を迎えます。作物の様子を見て大きくなったものから順次収穫していきます。
 ハクサイは結球が完了したもの(手で押さえて固く締まったもの)から順次、結球した部分を斜めに倒し外葉との間に包丁を入れ切り取って収穫します。収穫したら1〜2日乾かし水分を切ってから、1個ずつ新聞紙で包み、できるだけ低温で暗い場所に立てて貯蔵します。

?ダイズ
 生育途中の青いうちに収穫してエダマメとしても食べられています。正月料理に用いられる黒豆はダイズの品種で、黒大豆とも言われています。
 畑で成熟させると、11月には葉が落ちて豆の莢や茎全体が白茶色になり、豆の莢をふるとカラカラと乾いた音がします。こうなった時がダイズの収穫時で、根元から刈り取ります。軒下などにつるして雨の当たらないところで乾燥させ、豆の莢が自然にはじけるくらいになったら、天気の良い日にシートの上に広げて、棒などでたたいて爆ぜさせます。その後、枯れた莢や茎の部分を取り除いてダイズだけをより分けます。
 ダイズとして収穫した完熟した豆は、そのまま種となります。次の年に蒔く分の種は予め選別して、袋や缶、ビンなどに入れて保管しておきます。種の容器には必ず採種の年、月、日を記入しておくようにします。前々年度の種ですと発芽力が落ちる品種もあります。

?カリフラワー・ブロッコリー
 白色種のカリフラワーの場合、花蕾に直射日光が当たると黄化して品質が悪くなります。花蕾の直径が6〜7cmほどに生長したとき、外葉で花蕾を包んで遮光することにより、より美しい白色の花蕾が収穫できます。花蕾が大きく育ち固く締まってきたころが収穫適期です。
 ブロッコリーは、小さなつぼみが濃密により合って全体として大きな塊となったころ、つぼみが目立たないうちに、包丁やナイフなどで切り取って収穫します。大きな塊を収穫した後、わき芽からも小さなつぼみが出てきます。

?ホウレンソウ・コマツナ・シロナ・チンゲンサイなどの葉物
 大きくなったものから食べる分だけ収穫します。収穫は、ひき抜くよりも根のところに鎌をさし込んで刈りとる方が、土を動かさずに済みます。
 秋蒔きのホウレンソウは耐寒性が強く、寒さに合うと葉が肉厚になり、甘く味が濃くなっていきます。寒さで生長しすぎることもなく、とうが立つ春先までゆっくり収穫ができます。

?シュンギク
 通常は、大きくなった株を根ごと切り取り収穫しますが、こうすると間引き収穫を加えても、2〜3回くらいで収穫し終えてしまいます。長く収穫を楽しむためには、次々に何回かに分けて種をまく必要があるわけですが、それにはかなりの手数がかかります。
 簡単な方法で長く収穫するには、摘み取り収穫し、わき芽をふたたび利用する方法が最適です。摘み取りの場合にも、はじめは間引き収穫しますが、このとき残す株を少し粗く、4〜5cm間隔くらいにします。そのあと畝の側方に追肥をし、株を生長させるようにします。株が大きくなったら、先の方の芽を摘み取って利用します。あまり株元に近いところから摘み取ると、後から出てくる芽の数が少なくなってしまうので、もとのほうの小さなわき芽の出ぐあいを確かめて、地上15cmくらいを残しておくことが大切です。


2.今月植え付け適期をむかえる作物
?ソラマメ(〜11月中旬)
 本葉2〜3枚の幼苗が最も耐寒性が高いので、そのくらいの大きさで冬越しするよう適期にタネを蒔きましょう。日当たりの良い場所を選び、条間70cm、株間60〜70cmほどで、2〜3粒の点蒔きにします。タネの少し黒くなっている部分から根と芽が出てきますので、その部分が斜め下になるようにします。覆土後軽く手で押さえておきます。苗を植えつける場合は本葉2枚の頃に行います。

?エンドウ(〜11月中旬)
 莢ごと食べる品種(サヤエンドウ・キヌサヤ)、豆が青いうちに収穫して豆を食べる品種(実エンドウ・グリンピース)、莢と実の両方を食べる品種(スナップエンドウ)があります。連作は避け、日当たりがよく水はけの良いところを選びます。1条蒔きで、株間30〜40cm、3〜5粒の点蒔きにし、2〜3cm覆土した後、軽く手で押さえておきます。

?タマネギ(11月中旬)
 11月は苗の植え付けの適期です。生食用(貯蔵期間が短い)、貯蔵用(11月頃まで貯蔵可能)、赤タマネギなどの品種があります。4月に収穫する早生種、6月に収穫する中生〜晩生種があるので、植え付け時に収穫時期の確認をしておきましょう。タマネギは排水がよく、湿り気のある場所を好みます。
 苗は直径5〜6mmで草丈20cmくらいのものを選びましょう。苗が細く小さいものは球の太りが悪く、太く大きいものはとう立ちしやすくなります。条間20cm、株間15cmくらいとって、手で穴を空けて根元3cmくらいをしっかり土の中に降ろし、土を寄せて植えつけていきます。


3.今月の作業
 太ネギ(根深ネギ・下仁田ネギなど)は、主に白い部分を食するので、月に一度ほど土寄せをします。緑の葉のつけ根の分岐点のすぐ下まで土を寄せて、白い部分をのばしていきます。寒さが深まるにつれて甘みも増してきます。大きいものから必要に応じてシャベルで周囲を少し掘り、できるだけ下の方を持ってゆっくり引き上げます。春にとう立ちし葱坊主ができる前まで随時収穫できます。
 緑の葉の部分食する品種のネギは全体をゆっくりと引きぬいて収穫します。葉ネギは緑葉部を切って使うようにすると、残った株からまた新しい葉が出てきます。来春ネギ坊主ができる前まで随時収穫できます。


◇今月の農事メモは、滋賀県農業試験場はるた会発行の「家庭菜園」・家の光協会発行の「やさい畑」を参考にして紹介しています。

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  • Posted : 2023/11/08
  • Published : 2023/11/08
  • Changed : 2023/11/08
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