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農事メモ7月

農事メモ 7月


 市民農園、家庭菜園向きに野菜栽培情報を毎月配信しています。
 1年でもっとも暑い時期で、作物の生長も著しくなります。夕立など突然の大雨も心配される時期です。雨が降っているとき、雨の直後でぬかるんでいるときは畑に足を踏み入れるのは控えましょう。水分を含んだやわらかい土を踏みつけると、土の中の空気が少なくなり土が固くなるほか、歩いた際に泥がはね、作物に泥が付いてしまうことがあるからです。また、多湿のときにははなるべく作物を切らないようにしましょう。切り口が乾かないと病原菌が作物に入りやすくなるからです。
 多くの野菜類が収穫期を迎えています。この時期の作物への関わり方を紹介します。

1)トマト
 生長に合わせて支柱と茎を8の字にゆるく結んでいきます。葉が混んできて風通しが悪くなってきたら、実をつけている部分より下の葉を順次取っていきます。順調に生育させ、実をつけさせるには、追肥が必要となりますが、トマトはきわめて肥料に敏感で、多すぎると過繁茂になりやすい特徴があります。生長具合を見て、追肥していきます。葉の色が濃く大きな葉が内側に向かって巻いているときは、肥料分が多い状態です。このようなときは、追肥の時期を遅らせます。追肥の場所は株元ではなく根が広がり生長しているところにおきます。肥料分は水に溶けて吸収されますので乾燥が強いときには同時に水やりも必要となります。
 トマトは乾燥を好み、乾かしぎみに育てるほうが味が良くなるので、あまり水は与えません。しかし、実が肥大する時期に乾きすぎると、実が大きくならなかったり、土の中の養分が吸収できず実がきれいに生長しないことが起きます。日照りが続くようならば、水やりをしましょう。
a)大玉トマトの場合 ― トマトは茎から出た葉の付け根のところに次々と腋芽(わきめ)がでてきます。これをそのまましておくと限りなく枝数が増え、実も小さくなるので腋芽は欠いてゆきます。腋芽を欠くときには晴天の日に、切り口から病原菌が入るのを防ぐため、ハサミではなく手で行ないます。
また、実を大きくするために摘果します。実が500円玉〜ゴルフボール大くらいなったら、1段に3果残すようにします。
b)ミニトマトの場合 ― ミニトマトの種類は、いずれも大玉のものより丈夫でつくりやすく、腋芽も初めの数本は欠くだけでもよいようです。実は茎に近いほうから順に色づきますが、落果したり裂果しやすいので、適宜収穫してゆきます。

2)キュウリ
 キュウリは日ごと大きくなります。とくに雨の翌日は実も肥大するので(1晩で倍くらいに大きくなることもあります)早めに収穫しましょう。葉と実の色が同じような緑色をしているので、採り残しに気をつけます。
 葉の勢いがなく黄ばんできたりしたら、根元から少し離したところに少し追肥をします。追肥は一度に大量に与えると肥料濃度が濃くなり、根やけを起こし生育が悪くなります。肥料濃度が濃くなってしまう原因のひとつに土の乾燥があげられます。肥料の効きが悪くなるばかりでなく、果実が肥大しなくなるので、梅雨明け後は十分に水やりをします。
 キュウリの90%以上は水分で、たいへん水を欲しがります。足元にわらなどを敷いておくと、乾燥を防ぐことにもなります。また、葉がよく茂り風通しが良くない場合、混んでいるところの葉をかき取ります。

3)ピーマン・シシトウ
 ピーマンやシシトウは枝がやわらかく折れやすいので、斜めに支柱をたてます。生長するにつれ伸びてくる枝を3本くらいに整理し、その中心になる3本の枝を支えるような形で斜めに支柱となる竹や棒をさしてゆきます。ところどころの枝をひもで結んで支柱に固定させ、その後出てくる腋芽は風通しが悪くならないように時々摘んでやります。
 生長の様子を見ながら、株元から少し離れたところに追肥をします。ピーマン・シシトウは白い花が次々と咲き10月頃まで収穫できます。葉もつくだ煮などに利用するとおいしくいただけます。

4)ナス
 枝が大きくなってきたらその位置に沿って3〜4本斜めに支柱を足していきます。それぞれの枝を固定し、支柱の交わるところは、苗の太い茎をとりまくように組み、ひもでぐるっと巻いて丈夫にしておきます。
 収穫はあまり大きくなり過ぎないやや小さめのうちにすると、皮も果肉も柔らかいです。乾燥すると、生育が衰え、実が硬くなります。乾燥を防ぐために、藁や刈り取った草を株元に敷くとよいでしょう。土の表面からの水分蒸発が防げるだけでなく、地温が上がり過ぎないので、生育がよくなります。
 また、7月も下旬になると、枝葉が茂り、株の中に日光や風が入らなくなり、真夏の高温の影響を受け、実つきが悪くなってきます。このままにしても状況は変わらないので、思い切って更新剪定をしてみましょう。1ヶ月ほどは収穫できませんが、新しい茎葉が伸びて、秋には再び収穫できるようになります。
・更新剪定時の留意点
 ?地上部を切る― 株全体を1/2〜2/3の大きさに切り詰める。
 ?根を切る― 新しい根を出させるために、株元から30cmほど離れた場所に一回りスコップを入れ、根を切る。
 ?肥料を施す― 生育を促すために肥料を施す。株元から30cmほど離れた場所の土の表面にまく。

5)サヤインゲン
 収穫は中の豆が大きくなる前に、莢(さや)がやわらかいうちに収穫します。とり遅れると莢が硬くなります。葉も莢も緑色なので、取り残しのないよう葉の裏側も丁寧に見て収穫しましょう。

6)オクラ
 オクラは日光を好むので周囲の草が日光を遮らないように時々刈ってやります。生長が思わしくない場合、様子を見ながら少し追肥をします。花が咲くとその4〜5日後にはもうその実は収穫時期となります。花オクラの場合は花を食べますが、花は一日の命なので午前中に収穫し、水につけておきます。オクラは収穫が遅れると実が固くなりますので、早めに収穫しましょう。

7)トウモロコシ
 トウモロコシは日光を好むのでよく日が当たるように周囲の草の世話をおこないます。トウモロコシは1本に雄穂(先の方で広がっているもの)雌穂ができ、雄穂の花粉が風によって飛ばされて雌穂まで運ばれます。そのため、同じ株の間では受粉しにくいことがあります。家庭菜園など株数が少ない場合は人口受粉しておくほうが無難です。
 また、草丈が高くなり、根が浅いので風で倒れやすくなります。倒れるのを防ぐためには土寄せをしっかりして周囲に支柱を立てひもを張っておきます。
 実は上の段から順に大きくなります。食べごろになっているかどうかを見分ける目安としては、ヒゲがこげ茶色になっていること、もう一つは実が茎から約40度ほど開いていること、この二つを目安とするとよいでしょう。トウモロコシは収穫後、時間が経つと甘味が落ちるのですぐに調理しておいしいうちに食べましょう。収穫後の茎葉は乾かして、他の野菜の株元へ敷くと乾燥を防ぐのに役立ちます。食べごろには鳥の食害に遭いやすいので、ネット等をかぶせて防ぎます。

8)カボチャ
 日本カボチャの場合は開花後約30日前後、西洋カボチャの場合は開花後約40日前後。外側の皮が少し粉をふいて、へたの部分が緑色から、縦に白い筋が入ってコルク状になった頃を目安に収穫します。実ができたら地面に直接触れないように実の下に敷物をしておくと、実を傷めることが少なくなります。
 カボチャは収穫してからすぐに食べるより、日陰で風通しのよいところに約10日ほど置いてから食べると甘味が増します。その後涼しいところに置いておくと、3ヶ月くらいは保存できます。

9)サトイモ
 サトイモは種イモの上に親イモができ、その節に子イモ、子イモには孫イモというように上についてゆきますので、1〜2回株元に土をかけ、少し盛り上がるような形に土を寄せます。サトイモは熱帯地方の食べ物で、湿気と高温を好みます。表土を乾燥させないよう藁やトウモロコシの茎葉などを株元に敷くとよいでしょう。

◆今月タネまき、植え付けをするもの
?キュウリ
 今月タネまき、植え付けができる品種もあります。7月にタネをまくと9月〜10月初旬に収穫期を迎えます。地温が高いので直にタネをまく方法でも栽培できます。1箇所に3〜4粒まき、本葉4〜5枚のころに1本にします。

?インゲン
 生育期間が短いので5月〜7月までタネをまいても収穫できます。つるありとつるなし、莢(さや)の幅の広いもの、莢が長いものなどの品種があります。つるなしインゲンは支柱を立てなくてすむので手間入らずですが、収穫時期がつるありに比べ短いので、2〜3回に分け時期をずらしてタネをまきます。

?エダマメ・ダイズ
 エダマメはダイズを生育途中の青いうちに収穫したもので、豆の色も黄色、茶色、黒色など数多くの品種があります。5月〜7月中旬まで次々にタネをまくことができますが、この時期に適した品種があります。詳しくは種苗店等でたずね参考にして下さい。肥料中の窒素分が多いと葉ばかりが茂って豆が入らないことがあります。肥料の入れすぎに注意しましょう。

◆支柱
 作物が生長し、実が大きくなってくると支柱にも重みがかかってきます。重みや強風で倒れないように、より深く差し込んだり、斜めにもう1本支柱を差込むなどして補強しておきましょう。
◆水やり
 なるべく涼しい時間帯にしましょう。直射日光によって地面の温度が上昇しているときに水やりをするとお湯を与えている状態になり、根が蒸れて傷んでしまうことがあります。

*今月の農事メモは、家の光協会の隔月刊「やさい畑」を参考にして紹介しています。

◇今月は1年でもっとも暑く、日差しも強い時期です。熱中症予防を心掛ましょう。
熱中症予防のポイント
・日中、暑い時間帯の作業は避けましょう。
・のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛けるようにしましょう。
・少しでも、体調が悪いと感じた時は、日陰など涼しい場所へ移動しましょう。
・熱中症になりやすい高齢者、子ども、障がい者への目配り、声掛けをするようにしましょう。

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  • Posted : 2024/07/19
  • Published : 2024/07/19
  • Changed : 2024/07/19
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