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ここからは、私が行うカップルカウンセリング（カップルカウンセリングについては、「第34回：心理セラピストが回答！『カップルカウンセリングとは』　夫婦で向き合う機会を設ける」などで最も多いパターンである「ご主人がアメリカ人、奥さまが日本人」という国際結婚カップルを主軸にしてご説明します。

来院するご夫婦の出会いはさまざまですが、例えば、奥さまが留学や就職でアメリカに滞在している間にご主人に出会ったというケースや、ご主人が日本で英語教師や軍人として働いている時に、奥さまに出会ったというケースがあります。後者の場合、恋に落ちて結婚し、いざ生活をしようとなった時、「ご主人がアメリカ人、奥さまが日本人」であると、ほとんどがアメリカで暮らすことが多いです。しかし、これが問題が起こりやすい要因の一つになっていることがあります。これは、日本を離れ、実際にアメリカに住み始めたはいいものの、奥さまが自分が思い描いていたアメリカ生活と違うために、夫婦間に問題が起きてしまうのです。日本に住んでいた頃に持っていたアメリカのイメージがまるで違う。ある程度、予測をしていても、食事や住まい、文化・習慣などを受け入れるのは簡単なことではありません。国際結婚においては、お互いの理想やニーズが同じ国の人同士の結婚よりも、より顕著に出やすいです。現代でも、アメリカ人男性が日本人女性に清楚さや従順さを求めていたり、日本人女性がドラマや映画で観たようなアメリカの生活を夢想していたりすることがあります。分かりやすい例を挙げると、日本にいた時は、（誤解を恐れずに言えば）“ちやほや”されてたご主人が、アメリカに住み始めると“普通の人”だった。なんだか思っていたのと違う、がっかりしたという心理的な落胆から、夫婦関係に亀裂が入る場合もあります。

国際結婚によって自身の存在感が上がったように気がする、承認欲求が満たされるなど、互いの心理的な問題が深く関わっていることもあるのです。

さらに、相手の性格や家族、背景などについてきちんと把握せずに、感情的に盛り上がって結婚した後に、いろんな問題が発覚した場合も、当然夫婦関係に大きな影響があります。今、大きな問題になっているのが、「お金」、そして「酒・薬物」に関するものです。実は、ご主人に浪費癖があった、日本人では考えられない額の借金があったというケースが非常に多いです。お酒を含む薬物の問題では、週末になると泥酔するまでお酒を飲む、（カリフォルニア州では合法ですが）マリファナにハマってしまっている、などといったこともあり、これは結婚してアメリカに来て生活してから分かったという場合がほとんどです。