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8月農事メモ

<農事メモ 8月>


 市民農園、家庭菜園向きに野菜栽培情報を毎月配信しています。
暑さの盛りですが、7日は立秋、自然界は「秋」を迎えます。お盆を過ぎると夜には秋の虫たちの声も聞こえ始め、日陰も長くなっていきます。 畑は秋冬野菜の準備をする時期を迎えます。今月の農事メモは「秋冬野菜のタネまき、植え付けのポイント」を紹介します。

1、タネをまく前に
 ?畑の準備
 まだ実をつけ続けている夏野菜があり、秋冬野菜植え付け用のスペースがない場合、茎葉が枯れてきたり、実の付き方がゆっくりになってきたら、思い切って株を片付け、早めに秋冬野菜用のスペースをとりましょう。秋冬野菜はスタートが遅れると寒さで生長のスピードがゆっくりになり、収穫時季が遅れたり、十分生長しないままになるからです。
 タネをまく前に堆肥や有機肥料、PH(酸性度)調整のため石灰資材を投入される場合、投入後2週間以上置いてからタネをまきましょう。投入直後は化学反応が起きて熱を持っていることがあるからです。
?タネの確認
 同じ種類の野菜でも様々な品種があります。また、タネの袋には、「夏まき秋採り」「秋まき春採り」や、「早生」「中晩成」あるいは「○○日型」などと書かれたものもあります。品種によってタネまき適期や、生育期間が異なるのでよく確認をしておきましょう。

2、直接畑にタネをまくもの・タネのまき方
 直根性のもの(ダイコン、ニンジン、カブなど)や、移植をすると根が痛みやすいものは、直接畑にタネをまきます。 また、コマツナ・ホウレンソウ・シュンギク・チンゲンサイなどの葉物類も生育期間が短いので、直接畑にタネをまき育てます。
 タネまきの方法として、次の2つの方法がよく使われます。
 a)条(すじ)まき―― 葉物類やニンジンは、一直線のまき溝に一定の間隔をあけて連続してタネをまきます。まき溝の底面が平らになるようにします。
 b)点まき―― ダイコン・大きなカブ・ハクサイなど、タネが比較的大きなもの、葉を大きく広げ生長するものは適当に間隔を保って直にタネをまきます。その際、それぞれの性質や、虫などに幼苗を食べられることもあるので1ヵ所に3〜6粒くらいまきます。生長に合わせて1ヵ所に1本を残します。

*今月タネまき適期を迎える野菜
ア)ニンジン(8月中が適期)
 伸びていく根の先に、土の塊や石がある時、未熟な有機物の使用、肥料が多すぎる場合、根が分かれやすくなります。肥料を用いるときは植える前に土とよく混ぜておきます。条間30cmで1〜2cmの条まきにし、発芽のときに光が必要なので、土を薄くかけます。発芽するまでに7〜10日かかるのでその間乾燥を防ぐため、土をかけた後、手のひらでしっかり押さえタネと土を密着させます。さらに、タネをまいた上にモミガラや切りワラなど薄くばらまいて覆っておきます。本葉が3〜4枚出てきた頃に1回目の間引きをします。

イ)ダイコン(8月下旬〜9月中が適期)
 ダイコンの品種は多彩で、丸い形の桜島ダイコンや聖護院ダイコン、漬物用品種の山田ダイコン、白首系や青首系のものなどがあります。タネまきは株間25〜30cmとし、まき床にくぼみをつけ、1ヵ所に5〜6粒まきます。覆土したあと軽く手で押さえておきます。
 1回目の間引きは、本葉が1〜2枚のときに子葉(双葉)が不整形な株、葉が重なる株を抜いて土寄せします。2回目の間引きは本葉4〜5枚のころ、しっかりしたもの1株残します。

ウ)秋植えジャガイモ (8月下旬〜9月初旬が適期)
 秋作に適した品種(デジマ、ニシユタカなど)を選び、適期に植え付けをすることがポイントです。栽培に適した品種を植えないと、出芽が遅れ、その後の霜や寒さで枯れてしまいます。また、植え付けの時期が早いと、暑さでタネイモが腐敗し、芽が出なかったり、病気にかかりやすくなります。一方植え付けが遅れると、生育後半の寒さでイモが十分大きくならず、収量が少なくなるので注意が必要です。植え付け適期は8月下旬〜9月初旬頃です。
 暑い時期に植え付けを行なうので、タネイモを切って植えつけると腐りやすくなります。そのため50g以下のタネイモの場合はできるだけ切らずに植えつけ、腐敗を少なくします。50g以上の大きいタネイモを切って植え付ける場合は、各片に芽を均等につけるため、イモの頂部を中心に切断します。その後風通しのよい場所に置き、切り口を十分乾燥させてから植えつけます。
 ジャガイモはナス科に属するので連作障害を防ぐため、ナス科の作物(ナス、トマト、ピーマン類)の後は避け、排水性、保水性が良く、強風が当たりにくい場所を選びます。
 畝幅60〜70cm、株間25〜30cmで、植え穴を掘りタネイモを置き7〜8cm土をかけます。

3、苗を育てて、育った苗を移植するもの
 ネギ・キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・タマネギなどは別の場所で苗を育てて、苗をある程度大きくしてから畑に移植します。移植することで畑での生育日数が短くなり、雑草管理が比較的容易になり、生育初期の病害虫被害が少なくなります。さらに、前作の片付けが終わってなくても、別の場所でタネをまいておけるので、適期にタネをまきやすく、畑の準備も余裕をもってできます。

*今月苗の植え付け適期を迎える野菜
ア)キャベツ(アブラナ科)
 夏まき品種(収穫は11月〜12月)の植え付け適期です。水はけの良いところを選び、株間は40?とります。キャベツは品種が多く、生育期間によって早生・中生・晩生といった種類があります。また、翌年4月〜6月に収穫する品種もあります。苗を購入される場合は品種をよく確認しておきましょう。
 
イ)ハクサイ(アブラナ科)
 8月下旬〜9月中旬が植え付け適期です。ハクサイは直根が伸びるのでこの直根を傷めないように移植します。条間60? 株間40?を目安とします。ただ、品種が多く(早生種、晩生種、結球タイプのほか半結球タイプやミニハクサイなど)品種ごとに適切な株間がありますので確かめてから植えましょう。

ウ)ブロッコリー、カリフラワー(アブラナ科)
8月下旬〜9月中旬が植え付け適期です。条間50?、株間35〜40?とります。真ん中にできるつぼみの大きな固まりを収穫しますが、茎ブロッコリーは真ん中のつぼみを小さいうちに(ピンポン玉ぐらい)収穫し、収穫後にのびてくるつぼみを茎ごと食します。つぼみは次々出てくるので長期間、収穫を楽しめます。

◇気温が高い時期は、蒸発する水分も多くなります。タネまき、植え付け直後はとくに乾燥しないように注意します。タネまき、植え付けは日差しの強い時間帯は避け、曇りの日や涼しくなる夕方にしましょう。
 また、虫も多い時期です。ネットをかぶせるなど虫の害を防ぐ対策もしておきましょう


4、作業時の注意点
 ?水やり
 直射日光によって地面の温度が上昇しているときに水やりをすると、お湯を与えている状態になり根が蒸れて傷んでしまうことがあります。涼しい時間にしましょう。
 ?熱中症予防のポイント
・日中、暑い時間帯の作業は避けましょう。
・のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛けるようにしましょう。
・少しでも、体調が悪いと感じた時は、日陰など涼しい場所へ移動しましょう。
・熱中症になりやすい高齢者、子ども、障がい者への目配り、声掛けをするようにしましょう。
 ?強風対策
 台風や大雨による被害が心配される時期です。支柱は倒れないよう別の支柱を差し込んで立っている支柱にくくりつけるなどして補強します。道具・資材類はしっかりと固定し、強風で飛ばされそうな物は早めに片づけておきましょう。


*今月の農事メモは、家の光協会発行の「家庭菜園大百科」を参考にして紹介しています。
 

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