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海外で働く人にインタビュー
「海外で働く人にインタビュー」では、海外で働く人に就職活動の体験談やお仕事のご経験についてご質問させていただいております。他の業種や職種のお仕事、他の求職者の就職活動体験にご興味ありませんか?びびなびは各種就活イベントや求人情報、本コラムなどを通して、海外で活躍したい方々を応援しています。
松木隆志さん(米国精神科専門医)
- Q
- 簡単な自己紹介をお願いします。

- A
-
松木隆志と申します。東京医科歯科大学(現・東京科学大学)医学部を卒業後、日本で臨床研修を受け、2011年にニューヨークへ移住しました。マウントサイナイ・ベスイスラエル病院で4年間の精神科研修を修了し、米国精神科専門医資格を取得しました。
その後、マウントサイナイの精神科救急部で指導医として勤務する傍ら、ニューヨークとニュージャージーで精神科クリニックを開業しました。現在は遠隔診療も拡大し、全米15州の患者さんを対象に精神科診療を提供しています。また、自身の精神科クリニックで診療を続けながら、日系総合診療クリニック「ひばりファミリーメディカル」も運営しています。
- Q
- どんなお仕事をされていますか?
- A
-
日本語と英語による精神科診療を行っています。海外生活では、言語の違いだけでなく、文化、家族関係、職場環境、移民としての立場などが心の状態に大きく影響します。そのため、単に症状を診るだけではなく、その方が置かれている背景まで含めて理解することを大切にしています。
また、ひばりファミリーメディカルの代表として、クリニックの運営にも携わっています。同クリニックは、在米日本人の皆さんが日本語で安心して受診できる「かかりつけ医」として、地域の健康と生活を支える役割を担っています。
- Q
- どんな人と一緒にお仕事されていますか?
- A
-
医師、ナースプラクティショナー、サイコロジスト、セラピスト、看護師、医療事務、受付、請求、人事、経営管理、マーケティングなど、多様な専門性を持つスタッフと働いています。日本人だけでなく、さまざまな国や文化的背景を持つメンバーがいます。
米国の医療はチームで成り立っています。それぞれが専門性を生かし、異なる視点から意見を出し合いながら、患者さんを支えています。
- Q
- あなたの就職活動体験を教えてください。
- A
-
米国で医師になるため、日本で医師として働きながら、米国医師国家試験(USMLE)の勉強を続けました。ニューヨーク周辺を中心に数十の研修プログラムへ応募し、日本と米国を何度も往復して面接を受けました。医学部時代の成績には自信がありませんでしたが、USMLEで高得点を取得できたこともあり、最終的にマウントサイナイの精神科研修プログラムに採用されました。
米国では、研修先も就職先も基本的に自分で探します。待っていても、誰かが進路を用意してくれるわけではありません。自分の強みを明確にし、それを必要としている場所を自ら探すことが重要だと学びました。
- Q
- ニューヨークで働く良い点を教えてください。
- A
-
世界中から多様な才能や価値観を持つ人々が集まり、年齢や経歴にかかわらず、新しいことに挑戦できる点です。少し変わった経歴や遠回りした経験も、弱みではなく、その人ならではの個性として評価されることがあります。
また、医療、芸術、文化のすべてが身近にあります。私は高校時代からジャズベースを演奏してきましたが、世界的なミュージシャンの演奏を日常的に聴き、交流を深められることも、ニューヨークで暮らす大きな魅力です。
- Q
- 子供の頃の夢、もしくは今の仕事ではなかったら何になりたかったですか?
- A
-
若い頃は、ジャズベーシストとして生きていきたいと思っていました。また、音楽や文学など、文化に関わる仕事にも憧れていました。
ジャズでは、相手の音を聴き、その場で反応しながら、一緒に即興で音楽をつくっていきます。精神科診療も、患者さんの言葉や表情、沈黙を受け止めながら対話を進めるという点で、ジャズのセッションと似ていると感じます。音楽を通じて培った感性や経験は、現在の仕事にも生きています。
- Q
- 求職者へのメッセージ
- A
-
キャリアは、必ずしも一直線である必要はありません。私自身、医学部では決して優等生ではなく、遠回りも失敗も経験しました。それでも、自分が本当にやりたいことを考え、必要な資格や経験を一つずつ積み重ねることで、米国で精神科医として働く道が開けました。
前例がないことや、周囲と違うことを恐れず、自分ならではの経験や強みが必要とされる場所を探してください。すぐに結果が出なくても、準備を続け、人とのご縁を大切にしていれば、思いがけないところから道が開けることがあります。


上記は記事更新日時点の情報をもとに執筆されています。
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