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1月農事メモ

農事メモ1月

家庭菜園、市民農園利用者向けに野菜栽培情報を毎月発信しています。
今月は一年のはじめにあたり、今年はどんな野菜を育てようかと考える時期でもあります。家庭菜園では育てたい野菜を植えるのがいちばんですが、毎年同じような野菜を好きなように育てていると年々育ちが悪くなったり、病気や害虫が発生しやすくなります。限られたスペースで上手く栽培するため、栽培計画を立てておきましょう。
 今回の農事メモは栽培計画の立て方のポイントを紹介します。

1、種類選びのポイント
?多く消費する野菜
 ジャガイモ・ニンジン・ダイコン・タマネギ・キャベツ・ネギなど
 常時たくさん消費する野菜は、家計面でも大助かりです。
?とりたての新鮮な味・色・香りを楽しむ野菜
 トウモロコシ・シュンギク・レタス・ナス・ラディッシュ・インゲン・ホウレンソウ・ミョウガなど
 野菜の第一の魅力は新鮮な味。家庭菜園に欠くことのできない種類。野菜本来の味を楽しむことができます。
?店頭にはあまり並ばない珍しい野菜
 ハヤト瓜・ソウメン瓜・芽キャベツ・オカヒジキ・オカノリ・キクイモ・ヤーコン・わさび菜など
 ファッショナブルな外来野菜。古くからあっても流通に乗らなかった特色ある伝統野菜も、家庭菜園ならではのもの。また、試しに育てるという楽しみ方もできます。
?少しの面積でほとんど一年中自給できる野菜
 クレソン・パセリ・シソ・タイム・スイートバジル・メネギなど
 プランターでも栽培可能なものもあり、1株あると重宝します。 

2、畑の条件による野菜の種類選びのポイント
<住居と畑との関係>
 住居から畑まで、どれくらい離れているかということは、野菜の種類選びに当たってたいへん重要な条件となります。自宅の庭先近くにあれば最高で、どの種類を選んでもよいのですが、離れるにしたがって、どうしても種類は制約をうけてきます。とくに、毎日収穫しなければならないものは難しくなります。
 また、住居からの距離いかんにかかわらず、どれくらいの頻度で畑にいけるか、ということも直接種類選びに関係してきます。毎日ならどんな野菜でもOKですが、週に1回とか2〜3回、極端なときには月に1〜2回という人もいるでしょう。そうなると、十分な手をかけられないために生育が思わしくない種類がそれなりに増えてきます。とくに春夏作で制約されてきます。イモ類など生育の途中に手をかける回数が少ないものもありますが、それでも草に負けない程度の除草作業は必要となります。

<畑の自然条件>
 日当たりがよく、水はけもよく、土が肥沃といった条件が良いところが理想ですが、そうでないところは、畑の自然条件に合った野菜の種類を選ぶなど工夫が必要です。
?日当たり
 弱い光線にも比較的よく耐える作物は、ミョウガ、ショウガ、フキ、ミツバをはじめパセリ、レタス、葉ネギ、サトイモなどかなり多くの種類があります。半日陰地ではこれらの中から選んで栽培します。
 一方、強い光線を好み、日陰ではうまく育たない代表的な種類はスイカ、メロン、トマトなどの果菜類です。半日陰、日陰では着果不良や糖度不足になります。トウモロコシ、サツマイモなども強光好みで、日当たりのよいところで味のよいものがとれます。
?土の水分
 土壌の乾湿によっても適する野菜の種類に大きな違いが見られるので、水分状態から見た畑の特性をよく知り、種類選びをすることが大切です。
 多湿でも割合よくでき、乾燥に弱いものはミツバ、サトイモ、セルリー、フキなどです。多湿の方がよく育つのはクレソン、セリなどで、最も水分を好む野菜はハス、クワイなどで沼地ような常時水があるところが栽培適地です。
 多湿に弱いのはサツマイモ、トマト、根深ネギ、ダイコン、ゴボウ、カボチャなどで、排水のよい畑でないとよい作柄は得られません。
 一般的にいって、排水の悪い畑ではやや高畝にすることなども、対策のひとつです。しかし、畑の条件をよく把握し、適地適作を行うのがいちばんです。

3、年間予定の決め方のポイント 
 それぞれの野菜には生育に適した時季があります。地域によっても適期は異なりますが、適期から外れると育てるのが難しくなります。市販されている種の袋には種まき適期、収穫時期が書かれていますので参考にして下さい。
 春に適期より早くタネをまくと温度が足らず、発芽しなかったり、遅霜で枯れることがあります。秋に遅れてタネをまくとその後の寒さで生長が思わしくないものとなります。収穫も適期より早く取りすぎると、苦い、硬い、渋い、青臭いものとなりますし、遅れると実が大きくなりすぎたり、固くなったり、割れたりして味も落ちます。育てる前に生育適期を調べておきましょう。

*生育適期で大まかに分けると以下のようになります。
 ?春から  夏にかけて―― ジャガイモ、カボチャ、キュウリ、スイートコーンなど
 ?春まき  秋にかけて―― サツマイモ、サトイモ、ナス、ピーマン、オクラ、ラッカセイなど
 ?初夏・夏から 秋にかけて―― インゲン、エダマメ、地這いキュウリ、夏まきニンジンなど
 ?秋から  冬・早春にかけて―― ハクサイ、ダイコン、カブ、秋ジャガイモなど
 ?秋から  春・初夏にかけて――エンドウ、ソラマメ、ニンニク、タマネギ、など
 ?適期が春と秋2回あるもの――アブラナ科の葉もの野菜(コマツナ、ミズナ、チンゲンサイ等)、ホウレンソウ、レタスなど
 ?1年通して同じ場所で育つもの、生育期間が長いもの――ミョウガ、アスパラガス、フキなど

*一作づつではなく、次に植える野菜も考えて、一年間を見通した計画にしましょう。カレンダーに栽培期間を記してみると分かりやすくなります。?の後に?、?の後に?、?の後に?といった組み合わせが考えられます。

4、配置のポイント
 実際栽培に着手するのに先立って、選んだ野菜の種類を畑のどの場所にどのように配置し、前後作をどう組み合わせるかを決める必要があります。このとき、前作と同じ科のものは避けるようにします。連作(同じ種類のものを同じ場所に続けて栽培)すると、その作物を好む特定の病害虫や微生物が多くなり、土壌の養分が偏ったり、生育阻害物質が多くなるなどして、生育が思わしくなくなることがあります。(連作障害という)
 連作障害を防ぐためには、輪作をとり入れます。畑を3〜4の区画に分け、それぞれ、ナス科、ウリ科、マメ科、アブラナ科の区画などと割り当て、1年ごとにずらしてローテーションさせるようにします。併せて、多品目栽培を心がけると、畑の中の微生物も多様になるので、特定の病原菌や、病害虫の増殖を抑える効果があります。
 また、野菜同士の相性の良さも配置の際の参考にしてみてください。2つの異なる種類の野菜が近くに植えられると、双方あるいはどちらかがよく育つ相性の良い組み合わせがあります。組み合わせによっては、お互いに生長を促進させたり、互いの害虫を防ぐ効果があります。例えばキャベツとレタスの組み合わせは、互いに付く害虫が異なるため、近くに植えておくと害虫が混乱して寄ってこなくなります。ナスとネギ、トマトとバジルなども相性が良い組み合わせです。
 相性の良い組み合わせは多数あり、ここでは書ききれませんが、興味のある方はぜひ調べて試してみてください。


<レイアウト>
 植える野菜の種類が決まったら、具体的に畝の幅、その野菜に適した間隔を調べます。ひと畝に何列植えるのかは、畝の幅によっても変わってきます。トマト、ナス、キュウリ、ピーマンなどは40〜60?、カボチャ、スイカ、マクワウリは80?以上の間隔が必要となります。
 また、草丈が高くなる野菜を南側に配置すると、北側に配置された野菜が陰になってしまいます。野菜の高さや方位も考えて配置を決めましょう。
 どこにどれだけの数量を植えることができるのか、図に描いて見るとわかりやすくなります。 
 

* 以上を参考にしていただき、今年の計画をお考え下さい。


◇今月の作業

 家庭菜園では1月にタネまき適期となる野菜はほとんどなく、収穫できる野菜も少なくなります。作業のあまりないこの時期に畑の片づけ、道具の手入れをしておきましょう。これまで使ってきた道具や資材類が、長年の使用で劣化していることもありますので、今年も使えるかどうか確かめておきましょう。
 また、肥料、薬剤、タネなどは残っている種類や量、使えるかどうかを確かめ、今年必要な量の目安を算出しておきましょう。余分に購入するのを防ぐことにも役立ちます。暖かくなったらすぐ作業できるように今のうちに準備をしておきましょう。

*今回の農事メモは、家の光協会発行『家庭菜園大百科』及び『やさい畑』を参考にして紹介しています。


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(ファミリー農園運営委員会事務局)
Tel 077ー528ー2757
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  • 登録日 : 2024/01/18
  • 掲載日 : 2024/01/18
  • 変更日 : 2024/01/18
  • 総閲覧数 : 144 人
Web Access No.1597095