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「あおもり歴史トリビア」第615号(令和6年8月23日配信)

「あおもり歴史トリビア」第615号(令和6年8月23日配信)

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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは!歴史資料室の鈴木です。いくらか秋風が感じられるようになりましたね。

歴史資料室では、明日8月24日(土)から新しい館内展示「旅の思い出2〜各地の名所絵はがき」を始めます。8階の展示図書も総入れ替えしますので、今日はそのご案内です。

今回は、歴史資料室が所蔵する明治から大正にかけて撮られた写真絵はがきを展示します。そこで、「旅」と「絵はがき」に関連する図書のほか、今回おもに取り上げる東京・北陸・中部・関西地方の都市や、そこに写る歴史的建造物に関連する図書を選びました。

まずは、中島国彦・長島裕子編『漱石の愛した絵はがき』(2016 岩波書店)です。
夏目漱石は手紙が大好きでした。出すことも貰うことも好きでしたが、受け取った多くの手紙は残されていません。ただ、絵はがきだけは手元に残しており、現在は岩波書店が所蔵しています。本書は親交のあった作家や門下生、愛読者、家族などからの絵はがきを紹介しており、漱石と差出人との交流が見える興味深い一冊です。種々の絵はがきは、写真絵はがき、外国絵はがき、差出人自筆の絵入りなど趣向に富んでおり、なかでも明治時代の風景を写した絵はがきなどは貴重なものだと思います。

2冊目は、門井慶喜著『屋根をかける人』(2016 角川書店)です。今回の展示資料にある近江八幡を舞台にした小説です。
主人公は、「青い目の近江商人」とも称されたウィリアム・メレル・ヴォーリズ(日本名:一柳米来留・ひとつやなぎめれる)です。明治38年(1905)にYMCA派遣の英語教師として来日したヴォーリズは、伝道団体「近江ミッション」(のちに近江兄弟社と改称)を立ち上げました。そして、伝道の資金を得るために建築事務所「ヴォーリズ合名会社」を設立し、日本各地の学校や教会の建築に携わりました。函館にはそのひとつで、昭和10年(1935)に建てられたヴォーリズ設計の遺愛女子中学校・高等学校(函館市)の講堂が現存しています。また、彼の会社は日本でメンソレータムやハモンドオルガンを発売したことでも知られています。この本は、近江八幡を愛し、そこに骨を埋めたヴォーリズの一代記です。

ほかにも、東日本と西日本の文化や風俗の違いを目で見て理解できる、おかべたかしの文と山出高士の写真による『くらべる東西』(2016 東京書籍)や、大切なものがひっそりと隠されている地・裏日本の魅力を語る酒井順子著『裏が、幸せ』(2015 小学館)、日本全国の社寺に関わりのある動物を紹介する茂木貞純監修『神社のどうぶつ図鑑』(2018 二見書房)、今井浄圓監修『お寺のどうぶつ図鑑』(2020 二見書房)などを展示します。
すべて貸し出しできますので、よろしければ手に取ってみてください。


《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp

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