第2回目は、皆さんに防災対策の第一歩である 『 防災対策 STEP1 - 計画を立てる 』 についてお話したいと思います。
皆さんの中にも、実際に地震などが起きた時、パニックに陥り、何をしていいのか分からなくなってしまったという経験をお持ちの方も多いと思います。 小規模な地震だから無事だったものの、阪神淡路大震災級の大地震が発生したら…と考えると不安を覚える人がほとんどではないでしょうか。 そのような不安を少しでも取り除き、災害時に迅速かつ適切な行動を取れるように、まずは防災計画を立てるところから始めましょう。
防災計画を立てるときは次のようなポイントに注意してください。
1) 連絡手段を決める
災害発生時は被災地よりも遠方地域に連絡した方が、しばしば連絡が取りやすい場合があります。 家族同士で直接連絡を取ろうとするのではなく、まずは遠方地域に連絡の中心となる人を決めましょう。 その人を通して家族と連絡を取ることで、混乱を最小限に抑えることができます。 家族の連絡の中心となる人には前もって私達の連絡先であるということを知らせておいて下さい。
2) 集合場所を決める
災害時にどこに集合するかを家族で話し合うことで、避難時間の短縮や、災害時の混乱を最小限に抑えることが可能です。 住宅火災などの比較的小規模な災害、そして家に戻れないような大規模災害に備えて、それぞれ1ヵ所ずつ、家の周辺と家から少し離れたところに集合場所を決めておきましょう。 また、学校や職場など、緊急時に避難できる場所も把握しておきましょう。
3) 避難経路を把握する
自宅の各部屋からの避難経路を2つ決め、自宅周辺の避難経路も把握しておきましょう。 家族の中に車椅子を使用している人が居る場合は、車椅子でも脱出可能な出口を把握しておいてください。 また、避難所に避難しなくてはいけなくなった場合を想定して、予めどのような交通手段を利用するのかも決めておきましょう。
4) ペットのための計画を立てる
ペットを飼われているご家庭が多いと思いますが、災害時の緊急避難所のほとんどが、衛生上の理由でペットの受け入れを認めていません。 災害時にペットが一時的に避難できる場所(友人宅、宿泊施設、獣医など)を予め探しておきましょう。
5) 計画を見直し、避難訓練を行う
家族と一緒に少なくとも年に1度は計画を見直しましょう。 また、避難訓練を行い、実際に災害が発生しても迅速な対応が取れるようにしておきましょう。
目標は、次の3つの訓練を行うことです。
- 災害時の集合場所に集合する
- 遠方地域連絡先に電話をかける
- 避難経路を使って脱出する
子どもたちが楽しく、そして目や体で覚えられるように、避難経路を確認しながら集合場所でピクニックをするのも良いでしょう。
6) 危険回避をする
自宅や職場など多くの時間を過ごす場所を危険回避できる場所にしましょう。 部屋の中に、動いたり、倒れたり、壊れたり、または火災の原因になりそうなものはないか、簡単なセルフチェックを行い、危険回避が出来ている空間作りを心がけてください。
- □ 出口をふさいでいる家具がある
- □ ベッドが窓の近くにある
- □ ベッドの近くに写真たてや本棚などがある
- □ 重いものを本棚の上の段に置いている
- □ 壊れやすいものを地震用接着剤で固定していない
- □ 重い家具やウォーターヒーターを固定していない
- □ 掃除用品や殺虫剤などの可燃性のものを火元から離していない
- □ 半年ごとに煙探知機や一酸化炭素探知機を点検していない。また、その際電池が切れていないか確認していない
- □ 家族一人一人が、消火器の置いてある場所と使い方を知らない
- □ 酸素装置(使っている場合)のスイッチをベッドの近くに置いていない
上記の質問でチェックマークが1つでもあった方は、今すぐ改善しましょう。
以上で 『 防災対策 STEP1 - 計画を立てる 』 は終了です。
災害が起こる前にしっかりと計画を立て、確認し、訓練することで、災害時に慌てることなく、迅速な行動につながります。 家族それぞれが責任を持ち、みんなで計画作りに取り組んでみてください。
次回のコラムでは、 『 防災対策 STEP2 - 防災セットを用意する 』 についてお話します。