Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C. Hiro Sugawara, D.C.

最新コラム

第139回 : update
げっぷやおなら。痛みがある場合は要注意!

バックナンバー

第1回 : 
カイロプラクティックとは
第2回 : 
成長のマイルストーン
第3回 : 
右脳と左脳
第4回 : 
脳の働き
第5回 : 
脳の好き嫌いと機能低下したときの状態
第6回 : 
成長障害に対する機能神経科カイロプラクティックの治療法
第7回 : 
ストレスって何?
第8回 : 
自閉症スペクトラム障害
第9回 : 
注意欠陥多動性障害 (Attention Deficit Hyperactivity Disorder, ADHD)
第10回 : 
学習障害 (Learning Disability)
第11回 : 
強迫反応障害 (OCD Obsessive Compulsive Disorder)
第12回 : 
バランス感覚障害
第13回 : 
めまい(Dizziness, Vertigo)
第14回 : 
てんかんと痙攣発作症状 (Epilepsy and Seizure)
第15回 : 
脳震とう (Concussion) とスポーツ、セコンドインパクト症候群 (Second Impact Syndrome)
第16回 : 
慢性疲労症候群 (Chronic Fatigue Syndrome, CFS)
第17回 : 
脳性まひ
第18回 : 
持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (前編)
第19回 : 
持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (後編)
第20回 : 
身体の成長 - 特に粗大な運動機能 (Gross Motor Skill) について
第21回 : 
身体の成長 - 繊細な運動機能 (Fine Motor Skill)
第22回 : 
身体の成長 - 言語 (Language) と話し方 (Speech)
第23回 : 
身体の成長 - 認識力 (Cognitive) と感覚 (Sensory)
第24回 : 
身体の成長 - 社会性 (Social) と感情 (Emotional)
第25回 : 
身体の成長 - 知能の成長
第26回 : 
身体の成長 - 聴力
第27回 : 
身体の成長 - 読解力 (Reading)
第28回 : 
身体の成長 - 免疫機能 (Immune System)
第29回 : 
身体の成長 - 知能指数(IQ, Intelligence Quotient)と感情指数(EQ Emotional Intelligence)
第30回 : 
身体の成長 - ハンド・アイ・コーディネーション(Hand-Eye Coordination)
第31回 : 
身体の成長 - コーディネーション発達障害 (Developmental Coordination Disorder)
第32回 : 
身体、精神の成長 - 選択性緘黙症(Selective Mutism セレクティブミューティズム)
第33回 : 
身体と精神の成長 - トゥレット症(Tourette Syndrome)
第34回 : 
身体と精神の成長 - アスパーガー症(Asperger Syndrome)
第35回 : 
身体精神の成長 - 広範囲の成長障害(PDD-NOS, Pervasive Development Disorder- Not Otherwise Specified)
第36回 : 
身体、精神の成長 - 小児崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorder)またはヘラー症候群(Heller's Syndrome)
第37回 : 
身体と精神の成長 - 聴覚解析障害(Auditory Processing Disorder, APD)
第38回 : 
五感 - 嗅覚と味覚
第39回 : 
五感 - 味覚
第40回 : 
五感 - 聴覚(Auditory System)
第41回 : 
五感 - 視覚 ~前編~
第42回 : 
五感 - 視覚 ~後編~
第43回 : 
五感:触覚 ①痛みと温度感覚
第44回 : 
五感:触覚 ②大雑把な触覚(Crude touch)、繊細な触覚(Fine touch)、振動(Vibration)、体の部分の位置感覚(Joint position)
第45回 : 
脳神経(Cranial Nerve)Cranial Nerve #1(CN 1)嗅覚神経(Olfactory Nerve)
第46回 : 
脳神経:第2番 視神経(Optic Nerve)
第47回 : 
脳神経 第3番 眼動神経(Oculomotor Nerve, CN 3)
第48回 : 
偏頭痛やむち打ちが原因で、物が二重に見える?
第49回 : 
顔を触るだけで痛い? それ三叉神経異常かも?
第50回 : 
味覚や聴力障害も引き起こす「顔面麻痺」
第51回 : 
立っていられない!耳鳴りがする!バランスと聴力を支配する 脳神経8番 内耳神経(Vestibulocochlear Nerve)
第52回 : 
”オエッ”とえずくのは健康な証拠!? 脳神経第9番 舌咽神経(Glossopharyngeal Nerve)
第53回 : 
”放浪”しながら、カラダとココロを休める脳神経第10番 迷走神経(Vagus Nerve)
第54回 : 
四十肩? その痛み脊髄副神経が原因かも!?脳神経第11番 脊髄副神経(Spinal Accessary Nerve)
第55回 : 
言語や嚥下(えんげ)などを司る脳神経第12番:舌下神経(Hypoglossal Nerve)
第56回 : 
戦う。逃げる。人類を繁栄させてきた~自律神経「交感神経」~
第57回 : 
休む。消化する。体をリラックスさせる~自律神経「副交感神経」~
第58回 : 
神経性膀胱症(Neurogenic Bladder)
第59回 : 
脚の脱力感や痺れにご用心!末梢神経~大腿神経(Femoral Nerve)~
第60回 : 
お尻や脚に鋭い痛みが走る!つらい「坐骨神経痛」
第61回 : 
息を吸うだけでイタタタタ!肋間筋肉・神経痛
第62回 : 
スポーツマンもオフィスワーカーも要注意!首、肩、腕の神経を圧迫する「腕神経叢(わんしんけいそう)」
第63回 : 
指や手首を反らせることができない! 撓骨(とうこつ)神経障害
第64回 : 
肩の痺れや脱力感を感じたら!腋窩(えきか)神経の損傷かも?
第65回 : 
過度な筋トレにご注意! 肘や前腕をコントロールする筋皮神経
第66回 : 
手が“ハサミ”のように変形する?尺骨神経の損傷
第67回 : 
正中神経が引き起こす「指」「腕」「肩」の痺れにご注意
第68回 : 
“まぶたのぴくぴく” から冠状動脈痙攣まで。筋肉の痙攣
第69回 : 
糖質制限する前に知っておきたい!GIとGLの違いとは
第70回 : 
テレビゲームでも乗り物酔いが起こる!?
第71回 : 
アメリカの健康保険について
第72回 : 
交通事故の治療に不可欠な「自動車保険」について
第73回 : 
子どもに多い斜視。脳の成長とともに解消することも。
第74回 : 
寝違えも「斜頸」のひとつ!異変を感じたら早めの診察を。
第75回 : 
旨みの素!MSGの隠れた問題とは
第76回 : 
百害あって一利なし!人工トランス脂肪酸
第77回 : 
グルテンが引き起こすさまざまな病気
第78回 : 
ガムでお馴染み。キシリトールのメリット・デメリット
第79回 : 
肩がポキポキと鳴る?それ関節炎かも。
第80回 : 
悪化すると歩行困難に!股関節の関節炎
第81回 : 
40%は遺伝が原因?「関節変形性乾癬(かんせん)」
第82回 : 
12時間痛みが続くことも!痛風とは
第83回 : 
腰痛から目の疾患まで引き起こす「強直性関節炎」とは?
第84回 : 
感染症のあとに併発する「反応性関節炎」とは?
第85回 : 
生後6カ月を過ぎた“モロ反射”の弊害とは?
第86回 : 
大人に悪影響を及ぼす“強直性迷路反射”とは?
第87回 : 
「はいはい期」まで残っていたら注意!「非対称強直性頸反射」
第88回 : 
リューマチと並び、最も多い「変形性関節炎」とは
第89回 : 
女性患者は男性の2~3倍!リューマチ性関節炎
第90回 : 
16歳以下の子どもがかかるリューマチ病
第91回 : 
バクテリアで発症!敗血症性関節炎
第92回 : 
手や足のちくちく感に要注意!
第93回 : 
24時間営業!身体の解毒作用とは
第94回 : 
気になる“まぶた”のピクピク!ほかの病気の兆候かも?
第95回 : 
ウイルスやガンと闘う!免疫機能
第96回 : 
骨の成長や骨密度維持に欠かせない!「カルシウム」
第97回 : 
野菜をたっぷり摂って、カリウム不足解消!
第98回 : 
体に不可欠なミネラル。成長や細胞修理を促す「リン」とは
第99回 : 
体に不可欠なミネラル2。解毒作用や代謝を促す「イオウ」とは
第100回 : 
高齢者の認識機能維持にも有効な「鉄分」
第101回 : 
甲状腺ホルモンを作るミネラル。「ヨウ素」の摂取量や欠乏症状は?
第102回 : 
風邪の治りが3割も早くなる!? 必須ミネラル「亜鉛」とは
第103回 : 
体を形成する「マグネシウム」。食生活によっては不足する場合も!
第104回 : 
脳機能向上や心臓病予防に効果!「セレニウム」とは
第105回 : 
インシュリン機能を高める「クロム」とは
第106回 : 
必須アミノ酸①「記憶や学習に関与するフェニールアラニン」
第107回 : 
必須アミノ酸②「アスリートの強い味方。筋肉の代謝や回復を調整するバリン」
第108回 : 
必須アミノ酸③「美容に欠かせない!コラーゲンの素を生成するスレオニン」
第109回 : 
必須アミノ酸④「快感ホルモン“セラトニン”を作るトリプトファン」
第110回 : 
必須アミノ酸⑤ 抗酸化作用や代謝促進など、マルチに活躍する物質「メサイオニン」
第111回 : 
必須アミノ酸⑥質の良い筋肉を作る「リューシン」
第112回 : 
必須アミノ酸⑦筋肉の疲労回復やアンモニアを解毒する「アイソリューシン」
第113回 : 
必須アミノ酸⑧ケガや術後の回復をサポートするライシン
第114回 : 
必須アミノ酸⑨貧血や関節痛に効果のある「ヒスティディン」
第115回 : 
一度発症すると再発の可能性大!「口唇ヘルペス」
第116回 : 
「セサモイド」:腱の中にできるゴマ粒上の小さな骨
第117回 : 
セサモイドの炎症
第118回 : 
セサモイド骨最大級!「パテラ」とは
第119回 : 
「O脚」の原因や症状、治療法について
第120回 : 
「X脚」の原因や症状、治療法について
第121回 : 
心臓病や卒中の原因に!高コレステロールについて
第122回 : 
“サイレントキラー” 高血圧とは
第123回 : 
脚のしびれや排尿問題を引き起こす「馬尾症候群」
第124回 : 
「リーキーガット症候群」とは
第125回 : 
最大ゴルフボール級に!「腎臓結石」とは
第126回 : 
女性の罹患率は男性の2倍!「胆のう結石」とは?
第127回 : 
昼間の異常な眠気は病気かも?「睡眠発作」とは
第128回 : 
疲労感や気分の浮き沈みの原因に。「睡眠無呼吸症」とは
第129回 : 
髪の毛をとかす時に肩が痛い…。「ローテーター・カフ筋肉痛症候群」とは
第130回 : 
スマホやコンピューターも原因に。「アッパークロス症候群」
第131回 : 
長時間の座り仕事には要注意!ローワークロス症候群とは
第132回 : 
運動後に頭が痛くなる人必読!「エクササイズ頭痛」とは
第133回 : 
歩行に障害が出ることも。気になる「浮腫」
第134回 : 
足をひきずるように歩く。それ「フットドロップ」かも?
第135回 : 
女性に多い「ドライアイ」。妊娠や閉経で症状が出ることも
第136回 : 
虫歯や歯周病の原因にも。「ドライマウス」に注意!
第137回 : 
脳や脊髄が原因で起こると危険!「咳頭痛とは」
第138回 : 
その偏頭痛、実は「副鼻腔頭痛」の可能性も!
第139回 : 
げっぷやおなら。痛みがある場合は要注意!

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カイロプラクティックはとても面白い、皆さんへお伝えしたいその不思議と魅力

2015年 7月 7日更新

第37回 : 身体と精神の成長 - 聴覚解析障害(Auditory Processing Disorder, APD)

聴覚解析障害(APD)とは、耳から聴いた言葉を他の人と同じように解析できない、また聴覚と脳の聴覚中枢が食い違いを起こし、聴いた言葉の意味を正確に理解できなくなる障害のことを言います。データにより多少の差はありますが、大体就学年齢児の約3%から5%がこの障害を持っていると診断されます。男女の比率は2:1で男子が多く、成人のAPDは10%から20%くらいいるのではと言われます。大人の比率が多いのは、子供の時のAPDにより学習障害になりそれがAPDの悪化に繋がると考えられています。

APDの子供は、話し言葉の微妙な音の違いを判別できないので、単語や文章が他の言葉に聞こえたりして意味が通じなくなってしまい、その結果、理解ができなくなってしまいます。

家庭や学校においては、特に5つの状況で問題が出ます。

  1. もし子供に集中力があまりなく、さらに周りに少しでも雑音があった状況では、より一層話し言葉の聞き取りが難しくなる。
  2. 聴覚記憶の問題: 一度聞いた情報、指示、勉強のための説明などを覚えられず、勉強や仕事に支障が出る。
  3. 聴覚識別問題: 似たような発音が識別できないために、説明や指示を取り違えてしまいうまく仕事、勉強ができない。
  4. 聴覚集中力問題: 話を聞いている時に集中力が続かず、授業や説明を全部理解できないまたは覚えていない。
  5. 聴覚結合問題: 高いレベルの聴力が必要な場合。例えば数学の文章問題や会話中に雑音が入った時にそれを無視できる能力、クイズ、なぞなぞなど。

APDの子供は聴力には問題がないことが多いので、発見が遅れる事が多く、また聴覚解析力という能力は、大体7才から8才くらいにならないと脳の発達が十分でなく、診断に必要なデータが取りにくいということがあるので、この年齢になるまで診断し難いのです。

APDの症状: 要注意のチェックリスト
  • □ 子供が大きな音や、急な物音に簡単に注意をそらされる。
  • □ 周りが騒がしい状況にいると子供をイライラさせる。
  • □ とても静かな環境に子供をおくと振舞いや作業、仕事の効率が上がる。
  • □ 単純、複雑関わらず説明や指示に従えない。
  • □ 読み書き言葉、話し言葉に問題がある。
  • □ 要約した説明が理解できない。
  • □ 数学の文章問題がとても苦手。
  • □ 物忘れがひどい、整理ができない。
  • □ 話をされた内容に注意を払えない。
  • □ 何段階にわけてある指示や説明がされた場合、1つずつしか理解できない。またその段階ごとにもう一度指示や説明が必要である。
  • □ 話を聞く事が苦手。
  • □ 情報を処理、解析する時間が余分に必要である。
  • □ 学校での勉強がうまくいかない。
  • □ 振舞いに問題が出る。
  • □ 言語の理解が韻などの聞き違いで混乱してうまく理解できなくなる。
  • □ 身振りが使えない電話は特に苦手である。
  • □ 話し言葉を聞き取る事が苦手になるため、視覚でその不足を補うために、ボディランゲージや、話し手の唇を読んだりなどの能力を身につける。
大人のAPDの症状

APDは大人になっても、約10%から20%の方が症状を持ち続けるようです。

  • □ 多くの方が日常生活上で不都合を経験している。
  • □ 必要以上に大声で話す。
  • □ 順番やしなければならない事のリストを覚える事ができない。
  • □ 言葉、単語、文章を繰り返し聞かないと理解ができない。
  • □ 聞いて覚えた事が理解できない。
  • □ 聞いた言葉を鵜呑みしてしまう。
  • □ 騒がしい所での会話では理解するために助けが要る。
  • □ 他の人々から離れた所(静かな場所)でしか会話ができない。
  • □ 口頭での講演や説明に対して必ず紙に書かれたものを要求する。
  • □ 指示や説明を受ける際に、一度にではなく一つずつの段階ごとにしてくれるように要求する。
APDの原因

色々仮説があり、未だはっきりとした事は分かっていませんが、以下が原因と考えられています。

  • 頭へのケガ
  • 鉛中毒
  • 慢性的な耳の感染症
  • 脳の特定部分(聴力中枢)の成長障害
家庭でできること

早期治療が大事である事は変わりませんが、専門家は、病院での治療に加え、家庭で何かできることとして下記を挙げています。

  1. 雑音の多い環境ではAPDの子は正しく話し言葉を聞けないので、できる限り静かな環境で話をしてあげる。
  2. 話をしている人の顔を見せるように話す。
  3. 表現性の高い言葉を使って話す。
  4. 少しゆっくりと大きな声で話す。
  5. 指示や説明を与える時、それを子供自身に復唱させる。
  6. 勉強時にできるだけ静かな場所を選んであげる。
  7. 規則正しい日常生活を奨励する。
  8. 健康な食事、睡眠をとるように心がける。

APDは左脳の問題です。発見が遅れ何もしないでいると、言語や話し言葉の障害を起こし学習障害などに発展してしまいます。チェックリストの中に気になることがありましたら、早急に専門家に相談して対策をする事をお勧めいたします。

2015年 7月 7日更新

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Columnist's Profile

Chiropractic Functional NeurologistHiro Sugawara D.C.(Hiro Sugawara, D.C.)

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087
TEL:
408-738-0707

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