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＜サラのケース4＞

※＜サラのケース2＞はこちら、 ＜サラのケース3＞はこちら

今回は、「ディスカバリー」と「サピーナ」についてご説明します。当事務所が「ディスカバリー」を進めたところ、前夫は一部の書類のみで、リクエストした全ての書類を提出しなかったため、残りは「サピーナ」で、直接相手の銀行や職場、401k、クレジットカード会社にリクエストすることにしました。

「サピーナ」を通じて手元に届いた書類を見て、私たちはビックリしました。また同時にサラさんや子どもたちへの暴力の理由も、ある程度理解できたのです。銀行や401k、その他の資産や負債の書類から、前夫には多額の借入金が見られ、このお金の流れた場所は、なんとカジノだったのです。「ディスカバリー」や「サピーナ」を行ったことで、私たちはこのカジノの件がサラさんとは関係がないことを「モーション」として出さなければなりませんでした。私たちは「モーション」で、サラさんが言っていたように、前夫は憂さ晴らし程度にたまにカジノに行っていたどころではなく、常習的に行き大負けして、家でサラさんや子どもに八つ当たりしていたということが、その金額的にも真実だと思えました。さらにサラさんには「仕事で苦労している」とうそをついていましたが、全てが明らかになりようやく納得がいったのです。

前夫のクレジットレポートによると、4つのカジノに借金があり、その総額は4万ドルにも上っていました。メキシコから来たサラさんは苦労を重ね、やっとの思いで看護師になり、病院でビザサポートをしてもらっていました。よもや、前夫の身勝手な行動が暴力や負債につながるとは思ってもいなかったでしょう。

しかしながら、ここで前夫の収入支出資産負債が分かった上で「グローバルセトルメント」の話し合いができたことは、サラさんにとって良かったと言えます。もしこの借金等が発覚しないままだったら大変なことになっていました。離婚合意書には、誰に支払い責任があるか、そして資産、負債、収入、支出など全てを記載します。他にも「いつ子どもに会うのか」「バケーション中はどうするのか」「どこで子どもと会うのか」などに加え、緊急事態の医療費や医療保険の対応などです。とにかく、できるだけ詳しく書いてある方がよいのです。当事務所にご相談に来た方の中にも、親権や訪問権について大切なことが記載されておらず、適当になっているケースが少なくありません。

今回発覚した借金は問題の氷山の一角です。まずはじっくりと対応すること。そして、急ぐあまり大切な段階をおざなりにしないことです。

次回は、サラさんのケースが最終的にどうなったのかについてお話しします。