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医療費と税金-アメリカの高額な医療費はどこまで控除できる?

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医療費と税金-アメリカの高額な医療費はどこまで控除できる?

米国公認会計士による、わかりやすい!会計・税金101

アメリカの生活ではつきものの、お金の話、会計や税金にまつわる基本情報や知っていると役に立つトピックスを選んでお届けします。

Updated on 2026/ 7/ 6

Vol.21 : 医療費と税金-アメリカの高額な医療費はどこまで控除できる?

アメリカの高額医療費は、タックスリターンで取り戻せるのでしょうか?今回は、医療費控除のハードルと「HSA」の活用術についてご説明いたします。

「盲腸の手術で数百万円請求された」など、アメリカの医療費の高さは日本人にとって衝撃的です。 「これだけ払ったのだから、せめて税金から控除したい」と考えるのは当然ですが、実はアメリカの医療費控除は、日本に比べてハードルが非常に高く設定されています。今回は、医療費控除の仕組みと、より確実な節税手段である「HSA/FSA」について解説します。

1. 医療費控除の「7.5%の壁」

医療費を控除するためには、標準控除(Standard Deduction)ではなく「項目別控除(Itemized Deduction)」を選ぶ必要があります。 さらに、控除できるのは「調整後総所得(AGI)の7.5%を超えた分」のみです。例えば年収10万ドルの場合、7,500ドルまでは自己負担となり、それを超えた部分しか控除対象になりません。高所得者ほど、この足切りラインが高くなり、控除を受けるのが難しくなります。

2. 控除対象になるもの・ならないもの

医師への診察料、処方箋薬、歯の治療(矯正含む)、眼鏡・コンタクトレンズ、通院のための交通費などは対象になります。一方で、美容整形や市販のビタミン剤、ジムの会費などは原則として対象外です。 日本の医療機関で支払った医療費も対象になり得ますが、為替レートの計算や領収書の翻訳など、証明手続きが必要です。

3. 最強の節税口座「HSA」を活用しよう

医療費控除のハードルが高い中、確実な節税策となるのが「HSA(Health Savings Account)」です。「HSA」には「トリプルタックスメリット」があります。

  • 1. 拠出時: 給与から天引きされ、所得税がかからりません(Pre-tax)。
  • 2. 運用時: 口座内での投資益が非課税です。
  • 3. 使用時: 医療費として引き出せば非課税です。 High Deductible Plan(免責額が高い保険プラン)に加入している必要がありますが、使い切れなかった分は翌年以降に繰り越せるため、老後の医療費積立としても優秀です。

また、勤務先が提供している場合は「FSA(Flexible Spending Account)」も有効な節税手段です。FSAは、給与から税引前で一定額を積み立て、医療費、処方薬、歯科・眼科費用などに使うことができます。「HSA」と異なり、High Deductible Planに加入していなくても利用できる場合がありますが、原則として年内に使い切る必要があるため、翌年以降に大きく繰り越せない点には注意が必要です。毎年ある程度の医療費が見込まれる方にとっては、所得税を抑えながら医療費を支払える便利な制度です。

医療費控除を受けるのは簡単ではありませんが、大きな手術や出産、歯科矯正が重なった年はチャンスがあるかもしれません。 また、「HSA」は条件が合うなら最大限活用すべき制度です。ご自身の加入している保険プランと合わせた節税戦略をご提案します。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的・税務的な助言ではありません。個別のケースについては専門家へご相談ください。

Updated on 2026/ 7/ 6

Columnist's Profile

CPA、米国公認会計士尾崎真由美(Todd's Accounting Services / 尾崎会計事務所)

法学修士、経営学修士、尾崎会計事務所代表、シアトル国際会計代表も兼務。長年にわたる経験と知識で個人のお客さまから法人のお客様まで、個々のニーズに合わせたサービスを提供してきた。個人向けタックスリターン、相続税、その他タックスプランニングはもちろん、法人向けサービスとして会社設立サポートやアウトソース、ブックキーピング、会計税務コンサルティング等、幅広いサービスを展開。親切、お客さまに満足していただけるサービスを提供する。

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