弁護士
Joseph L Pittera Law Office of Joseph L. Pittera yumi.jpitteralaw@gmail.com

最新コラム

第33回 : update
離婚裁判で知っておきたいこと 「離婚理由を問わないアメリカの制度 ~ノーフォルト・ディボース~」

バックナンバー

第1回 : 
離婚の基礎知識 ~これは絶対に知っていないと損をする!
第2回 : 
協議離婚、争議離婚、欠席判決について
第3回 : 
「養育費や親権について」離婚相手との話し合いが平行線の場合は、裁判所が決定!?
第4回 : 
離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら①
第5回 : 
離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら②
第6回 : 
離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら③
第7回 : 
離婚前に、相手や自分が刑事事件を起こしてしまったら④
第8回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について①
第9回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について②
第10回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について③
第11回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について④
第12回 : 
離婚前に、相手や自分が起こした「破産」について⑤
第13回 : 
Q&A「離婚調停中にDVで逮捕された!ケースはどうなるの?」
第14回 : 
Q&A「離婚調停中に淫行で逮捕された!どうすればいい?
第15回 : 
Q&A「離婚合意書」の内容を変更することはできるの?
第16回 : 
Q&A 「DVで結婚生活が破綻。離婚を申請したらどうなるの?」
第17回 : 
DVによる離婚訴訟。サラのケース2
第18回 : 
DVによる離婚訴訟。サラのケース3
第19回 : 
DVによる離婚訴訟。サラのケース4
第20回 : 
DVによる離婚訴訟。サラのケース 最終回
第21回 : 
離婚と接見禁止命令について ~その1~
第22回 : 
離婚と接見禁止命令について ~その2~
第23回 : 
離婚と接見禁止命令について ~その3~
第24回 : 
離婚合意書とは?
第25回 : 
離婚合意書に付けるフォームについて ①
第26回 : 
離婚合意書に付けるフォームについて ②
第27回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと「ミディエーション(調停)」とは
第28回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと ミディエーターでは難しい?「利益相反」問題解決
第29回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと 「利益相反」問題勃発。迅速な行動と決断を!
第30回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと 自分や家族の利益を守り、希望ある未来へ
第31回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと 「離婚申請 ~ケース① 配偶者が薬物問題を抱えている~」
第32回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと 「離婚申請 ~ケース② 配偶者からの暴力~」
第33回 : 
離婚裁判で知っておきたいこと 「離婚理由を問わないアメリカの制度 ~ノーフォルト・ディボース~」

ジョセフピテラ弁護士の『家族や離婚にかかわるトラブル』かけこみ寺

家族や離婚にかかわるトラブルで悩むすべての方の力に。1994年以来の長年の経験と実績をもつジョセフピテラ弁護士監修で離婚や家族のトラブル、及びそれらにかかわる刑事事件を絡めながら問題解決に役立つ情報をお届します。さまざまな情報が飛び交うこの時代で正しい情報・知識を発信し迅速な問題解決につながるようお手伝い致します。

2025年 6月 27日更新

第33回 : 離婚裁判で知っておきたいこと 「離婚理由を問わないアメリカの制度 ~ノーフォルト・ディボース~」

ノーフォルト・ディボースとは?

アメリカで離婚を考える際に知っておきたい法律の一つが、「ノーフォルト・ディボース(No Fault Divorce/無責任離婚法)」です。特にカリフォルニア州で離婚を検討している方にとっては、この制度の意味と特徴を理解することがとても大切です(「ノーフォルト・ディボース」を採用していない州もあります。アメリカは州によって法律が異なるため、他州での離婚手続きに関しては、必ずお住まいの州の資格を所持する弁護士にコンサルテーションを依頼するようにしましょう)。

「ノーフォルト・ディボース」とは、夫婦のどちらかが「離婚したい」と思ったとき、その理由に関係なく離婚申請できる制度です。つまり、相手に非があるかどうかは関係なく、申請した時点で法的なプロセスがスタートします。例えば、「性格の不一致」「価値観の違い」「将来のビジョンのずれ」など、誰かが悪いというわけではない理由であっても、離婚が認められるのです。逆に言えば、たとえ浮気や裏切りといった事情があっても、カリフォルニア州では、それが直接的に「相手が悪い」という判断にはつながらず、法的な優位性にもつながりません。

日本の制度との違い

日本では、配偶者の不貞行為(浮気)やDVなどに対して慰謝料を請求するという考え方が一般的です。しかし、「ノーフォルト・ディボース」を採用している州では、こうした責任追及型の考え方は基本的には通用しません。そのため、「浮気した配偶者や浮気相手に慰謝料を請求したい」と考える方も多いかもしれませんが、カリフォルニア州の法律ではそのような個人的な感情が法的な効力を持つわけではないことを理解する必要があります。

子どもや生活費の取り決めは別問題

「相手が悪くないなら、養育費も払わなくていいの?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、それは誤解です。「ノーフォルト・ディボース」は、あくまで“離婚理由に責任を問わない”という制度であり、養育費(チャイルドサポート)や配偶者への扶養費(アリモニー)などは別の基準で決まります。ここでは、結婚期間や子どもの年齢、双方の収入と支出などが重要な判断材料になります。生活水準の維持や子どもの福祉が優先されるため、支払い義務は法律に基づいて厳格に判断されます。

離婚のタイミングや条件については、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。法的な支援や保護措置を受ける権利が、あなたにはあります。離婚は感情的にも法律的にも大きな決断です。「ノーフォルト・ディボース」の仕組みを正しく理解し、自分や家族にとって最も良い選択をするために、信頼できる専門家に相談することが、何よりも大切です。

次回は、「離婚手続きを始めるタイミング」についてご説明します。

※ケースは個々によって異なるため、必ず専門弁護士にご相談ください。

2025年 6月 27日更新

他の弁護士事務所であきらめられてしまったケースにも対応しています。
あきらめずに24時間日本語無料法律相談にお気軽にご相談ください。

TEL: 310-756-2571

Columnist's Profile

弁護士Joseph L Pittera(Law Office of Joseph L. Pittera)

1994年より法律全般に携わり、特に親権・養育費・DV問題、離婚に伴う財産分与など家族や離婚にかかわる家族法に関して豊富で幅広い経験を持つ。それだけでなく、刑法、破産法、会社法などの様々なケースを取り扱ってきた。他の弁護士事務所ではあきらめられてしまったような複雑なケースも最後まで根気よく対応している。

24時間日本語無料法律相談も行っているのでいつでも日本語で相談できる。

※本コラムはJoseph L. Pittera弁護士による法律アドバイスを日本人パラリーガルが翻訳・編集したものです。

Law Office of Joseph L. Pittera

1308 Sartori Avenue Suite 109, Torrance,90501 USA
TEL:
310-756-2571
EMAIL:
yumi.jpitteralaw@gmail.com

Law Office of Joseph L. Pittera について詳しくはこちらをご覧ください。

バックナンバー

BACK ISSUES