赤十字ベイエリアチャプターからのお知らせ

赤十字では、地震を含めた災害から自分の身を守るために知っておくべきことや、準備しておかなければいけないことを詳しくご案内しています。この機会にもう一度ご自身の防災対策を見直しましょう。

2010年 9月 13日更新

第5回 : 基本的な緊急時の対応の仕方 - ケアをする前に

緊急事態は突然やってきます。人が倒れているとき、怪我をしているとき、どのように対応すればいいのでしょう。そんな時は冷静になり、的確に行動することが必要です。この BASIC AID のコラムでは緊急事態に直面した時の対応の仕方について2回に分けてお話したいと思います。まずはケアをする前に気をつけておくことを知っておきましょう。

緊急事態に気づき対応する

いつもと違うことに気づくことが緊急事態の発見につながります。 いつもと違う視野、いつもと違う印象・行動、いつもと違うにおいなど目、耳、鼻などを使って察知しましょう。 いくつかのケースでは緊急事態や突然の病気に気づくのが難しいときもあります。 緊急事態をしらせるサイン(徴候)はいつも分かりやすいとはかぎりません。 何かおかしいと感じたらその人を観察しましょう。 質問をしましょう。 質問をすることで何がおかしいのか分かるかもしれません。

行動を起こすことをおそれない

時に人は緊急事態が起きていることに気づいても、他の人々の存在、傷病者の状態が確認できないとき、感染症へのおそれ、過ちを犯すことのおそれ、告訴されることへのおそれ、911へ電話することへのためらい、などから行動に起こせないことがあります。 それらのことを乗り越え救助を行うため

  • Good Samaritan Laws について知り、また傷病者の救助に対する同意を得る (法対策)
  • 血液や体液に触れないようにするために予防措置をとる (感染予防)
  • 救命手当、心肺蘇生、AEDの使い方についての知識と技術を身に付ける (3C・赤十字の講習)

ことをしましょう。

法対策(Good Samaritan Laws・同意を得ること)
【Good Samaritan Laws】

人々が見返りを求めずに快く傷病者に対して救命手当が行えるように制定された法律です。 日本では立法化されていませんが、アメリカでは全50州で制定されています。 この法律は州によって違いはあるものの、同じ状況にいた場合に道理に従い慎重に活動ができるように一般の人を守っています。 良心に従って行うこと、故意に怠慢になったり無茶なことをしないこと、自らの技量内で行うこと、手当を開始したらその人を見捨てないこと、などが定められています。 (詳細については専門家に問い合わせるか文書で調べてみてください。)

【同意を得ること】

意識のある成人に対しては救命手当をする前に傷病者から了承を得なければなりません。 意識のある傷病者には救命手当を同意する権利も拒否する権利もあります。

同意を得るために下記に挙げたことをしましょう。

  • 自分の名前を伝える
  • 自分が救命手当の訓練を受けたことを伝える
  • 自分がその人を助けることができるかを尋ねる
  • もしかしたら間違う可能性もあることを伝える
  • 自分が何を行おうとしているのかを説明する

注意点としては以下の通りです。

  • 意識があり、救助を拒否した人に対して手当てを絶対にしない。
  • 救助を拒否された場合でも、911にコールもしくは地域の緊急番号に電話したほうがよい。
  • 意識のある傷病者が子供か乳幼児の場合、両親か保護者がいればその人から了承を得る。
  • 夫妻の場合は救助の同意は得られないものとする。
  • 傷病者に意識がない、もしくは傷病により答えられない場合、推測により同意は得られるものとする。
感染予防

応急処置をしている間はグローブやマスクを装着するため、感染する可能性は非常に低いです。 そして標準予防策を守れば、さらにその危険を減らすことが出来ます。 救助者と傷病者の両者を守るために以下のことに常に注意を払いましょう。

  • 血液、体液に触れない
  • 血液、体液が付着した可能性があるものに触れない
  • 切り傷、擦り傷、炎症や触ると痛むところには直接触れず、手袋などを装着する
  • 手当てを行う前に、指輪や腕時計などアクセサリー類を外す
  • 応急処置をしているときや感染性物質にさらされている場合は飲食、飲酒、喫煙、化粧、コンタクトレンズの取り扱いを避け、口や鼻や目に触れない
  • 血液、体液が直接触れないための道具 保護眼鏡 蘇生用マスク、顔保護用マスク、使い捨て手袋(二トリルまたはビニール素材のもの)
  • 血液が付着した手袋は汚染されている感染の危険性がある危険物質と捉え、きちんと処分されなければならない

適切なものが備えられている救急箱を常に近くに用意しておきましょう!

記事担当 : 湯野真琴

2010年 9月 13日更新

赤十字や防災対策についてもっと詳しく知りたい方は是非下記のリンクをご覧ください。
"Get Prepared"のセクションに行っていただくと、日本語のパンフレットなどがご覧いただけるようになっています。

American Red Cross Bay Area Chapter Website
http://www.redcrossbayarea.org

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人々を緊急時から守り、災害時に備えての対策を地域に広める活動をしています。

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