Columna

アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

Actualizada en 2019/ 9/ 10

51 vez : 大学を出ていなくてもO-1ビザは取得できる?

Q

私は、日本で長年わたりデザイナーとして働いてきましたが、このたび、知人の紹介で、アメリカにある会社から誘いを受けており、そこで働きたいと考えています。私は、大学を出ていないので、H-1Bの申請は無理だと思いますが、友人からO-1が取得できるかも知れないと聞きました。私にビザ取得の可能性はあるのでしょうか。

A
H-1Bビザの可能性

あなたは大学を出ていないのでH-1Bの取得をあきらめているようですが、まずはその可能性の有無から考えてみたいと思います。確かに、一般的にH-1Bの条件の1つとして、4年制大学卒業が挙げられますが、仮に、4年制大学を卒業していなかったとしても、それに相当する経験があれば良いとされています。具体的には、1年間の学歴を3年間の職歴で代用することができます。すなわち、あなたの最終学歴が高校卒業ならば、12年間(3×4=12)の経験が、短大卒業ならば6年間(3×2=6)の経験があれば良いことになります。また、あなたが専門学校を卒業していれば、在学期間の半分が学歴に換算されます。例えば、あなたが2年間の専門学校を卒業していれば、1年間の学歴に換算されますから、その後9年間(3x3=9)の職歴があれば良いのです。

H-1Bビザ取得の条件
  1. その業種において、通常学士号(あるいはそれに匹敵する経験)以上が要求されており、その職務は、学士号(あるいはそれに匹敵する経験)以上を保持するものでないと遂行できないほど、複雑かつ特殊であること。
  2. 雇用主が、その役職に従事するものに対して、一般的にその学士号(あるいはそれに匹敵する経験)以上を必要としていること。
  3. 職務内容が専門的かつ複雑であり、その職務を行うにあたって、通常その学士号(あるいはそれに匹敵する経験)以上の知識を必要とすること。

H-1Bの就労期間は、最初は通常3年間、その後の延長を含めて最高6年(永住権の申請を始めて1年以上経過しているとそれ以上)までです。その後も就労を継続する場合は、永住権の申請を視野に入れることになります。

O-1ビザの可能性

次に、あなたが、もし上記の条件に当てはまらない場合に、あるいはH-1Bを申請したものの、抽選に漏れてしまう可能性を避けたい場合には、O-1の可能性を考えることになります。O-1は高度の特殊技能者に与えられるビザです。O-1の申請には、まずあなたがこれから働こうとしている会社と契約を交わす必要があります。この契約書の中には、具体的な仕事内容(プロジェクト等)が記載されている必要があります。

ビザが認可されるか否かは、以下の条件のうち、少なくとも3つ以上を充足していることが求められます。

  • 国際的に認められている賞を受賞したことがある。
  • 入会するに当たり、厳しい条件を課されている会の会員であること。
  • 知名度のある出版物、あるいはメディアにおいて取り上げられたことがある。
  • 当該分野において、競技などの審査を担当したことがある。
  • 当該分野において大きな功績を残したことがある
  • 専門雑誌、あるいは知名度のあるメディアにおいて記事を出したことがある。
  • 知名度の極めて高い団体において仕事を行っているか、あるいは行った経験がある。
  • 収入が著しく高い。

あなたが、上記の条件を満たしているかどうかは、移民局ではなく専門の Evaluation 団体が評価することになります。そこで認可を受けた後、移民局での審査に入ります。ただし、デザイナーの場合はEvaluation 団体が存在しないので、このような場合は、移民局が直接審査することになります。ただ、このような場合であっても、申請者の方でそれに代わる団体、あるいは個人の評価を受けた後、移民局の評価を受けた方が賢明であると言えます。

O-1 ビザの就労期間は、最初3年、その後1年間あるいは3年間の延長が認められています。3年間の延長を申請するには、最初に O-1 を取得した後、新しい仕事(プロジェクト等)を行う必要性ができたことを立証する必要があります。

H-1Bを選ぶか、O-1を選ぶかは、その個々のケースにより異なります。両者を比較した場合、通常、ハードルが高い(審査基準が厳しい)のがO-1ビザでしょう。一方、H-1Bは、いくら優秀な申請者であっても抽選漏れしてしまう危険性があります。また、就労開始可能な時期が毎年10月からになり、雇用主の希望に対応できるか否かの問題もあります。従って、好条件がかなり揃っている優秀な申請者であれば、最初からO-1ビザを狙うのも得策であると言えるかもしれません。

上記の条件との適合性およびプロジェクト、あるいは雇用開始時期などを考慮した上で判断されることをお勧めします。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

Actualizada en 2019/ 9/ 10

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Columnist's Profile

CEO/Attorney
瀧 恵之瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

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