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いまなぜモンテッソーリ教育なのか?

Actualizada en 2023/ 3/ 8

40 vez : 「子育て中の親御さん必読!」モンテッソーリQ&A 教えて!炭川先生 Vol.2「2歳の子どもの大泣きが止まらない!」

ロサンゼルス近郊にあるモンテッソーリ国際学園の設立者で、日系コミュニティーにモンテッソーリ教育を紹介した教育者としても知られる炭川純代さん。このコラムでは、早期幼児教育や子どもの発達などに関するご質問に回答いただきます。

Q

最近、2歳の子どものぐずりや大泣きがなかなか止まりません。登園時だけでなく、園にいる時でも何かあるとすぐ泣き始めるようです。家に帰ってから理由を聞くのですがはっきりせず、私もイライラしてつい怒ってしまいます。どうしたらよいでしょうか?

A

2~3歳児の子どもが泣く理由には、実は成長の発達がとても関係しています。ここでお子さんに寄り添い、親御さんや周囲の大人たちがガイドしてあげることが、心理・社会的発達にとても大きな影響を与えます。子どもの発達は年齢によって異なるため、ここでは2~3歳児に限定してご説明します。

基本的に幼児期の子どもたちは、感情や社会性の発達段階にあり、自身の感情を理解したり、他人の感情を読み取ったりすることがとても難しいのです。そのため、自分が望んでいることを他人にうまく伝えることができず、ストレスや不安がたまって泣いてしまうことがあります。

登園時に泣くのは、「お母さんと離れたくない」というさみしさや不安からというケースがほとんどです。「悲しさ、不安、心配」などは第一次感情と言われています。子どもは周囲の環境の変化に敏感で、いつもとは違う場所や新しい人と出会うことで不安を感じることがあります。登園時に泣いている理由が、お母さんと離れてしまう「悲しさ」から来ているのであれば、その気持ちを分かってあげましょう。「男の子だから泣いちゃダメ」「いつまでも泣いていると恥ずかしいよ」といった諭し方はもってのほかです。「お母さんと離れてさみしいよね」と子どもの気持ちを受け止め共感してあげてください。通常は時間と共に新しい場所や人に慣れて、泣き癖は次第に少なくなっていくと思います。

ただし、数カ月たっても泣き止まない、また登園時に泣く理由が、よりかかる壁がない「心細さ」である場合、もしかすると自立の問題があるのかもしれません。家でお母さんが何でもやってあげていると、子どもは園に来た時に急に不安を感じてしまうのです。子どものためという理由から日頃から世話を焼きすぎていないか、または干渉し過ぎていないか、お母さんが自分の行動を振り返ってみるのも大切です。

他にも、「幼稚園で友達とおもちゃの取り合いをした」「着替えがうまくできなかった」など、悔しさや自分の思い通りにならないことがきっかけで子どもが泣くことがあります。この場合、親御さんは子どもが泣いた理由が分かっても、あまりにも聞き分けがないと、つい「わがままだ」「我慢しなさい」と頭ごなしに叱ってしまうことがあります。これはNGです。叱るよりも大人が子どもを成功体験に導いてあげることが必要なのです。

具体的な例を挙げて説明していきましょう。

1.高い所にあるおもちゃが届かずに泣いている

「おもちゃで遊びたい」という知的欲求と微細運動(手足を使う細かい運動)がうまくかみ合っていない状態です。この時に大人が代わりにおもちゃを取ってあげると、子どもは次に同じ状況になった時にまた泣きます。泣くことが自分の要求が通る方法だと思っているからです。ここで必要なのは、椅子を用意してあげて、子どもに自分でおもちゃを取ることができるような環境を作ることです。小さな成功体験が大切です。また、「おもちゃを取ろう」という気持ちから体も連動し、自然に意思と運動の発達を促すことができます。

2.おもちゃの取り合いで泣いている

友達が遊んでいるおもちゃが欲しくて、相手に噛みついたり叩いたりという子どもも少なくありません。これは言語と感情の発達段階にある2~3歳児によく見られるケースです。ここで大人が「今〇〇ちゃんが使っているから後にしようね」とただ諭すだけでは、子どもは納得しません。まず、このような状況で「欲しい」という感情が子どもに芽生えたら、「貸して」という言葉を使うことを教えます。ポイントは大人が仲介するのではなく、子ども自身に「おもちゃを貸して」と声を出させること。感情と発した言葉が一緒になることが重要です。最初に自分の感情を自分の声で出すことで心が落ち着くのです。

「おもちゃを貸して」とお願いしても、友達に「今はダメ」と言われたら、「じゃあ、いつ使えるの?」といった具合に会話を進めていきます。この工程を経て実際におもちゃを手にした時には、子どもは感情的に納得できています。大人にすればとても面倒な工程ですが、ここでしっかり子どもの気持ちに寄り添っておくと、今度同じ状況になった時に子どもは自分の意思を出せるようになります。これはコミュニケーション力だけではなく、感情や社会的な発達にも大きく影響します。この段階で放っておかれたり、気をそらせたり(お菓子を与えたりするなど)しても、根本的な解決になっておらず、子どもは泣くという行為を止めることができません。大切なことは大人が解決へのプロセスを教えてあげることなのです。 第30回「“魔の2歳児”が納得する効果的な叱り方とは?でもお伝えしましたが「体験を通して納得させる」ことは、この年齢の子どもたちにとってとても重要なのです。

将来子どもたちが、自分の意思で何かを選び、心のままに生きていくためには、この重要な時期に大人が子どもをきちんと導いてあげることが大切です。まず自分の気持ちを知る。そして必要に応じ自分を制御することで、周囲との調和も生まれます。お子さんが泣いていたら、ぜひ時間をかけて向き合ってあげてください。

Actualizada en 2023/ 3/ 8

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「2022—2023年度」新規生徒募集!
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  • 「キンダーガーテン」ウェイティングのみ
  • 「小学部1~3年」定員残り2人

※2022年5月11日時点の情報です。詳細は以下まで問い合わせください。

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Columnist's Profile

ディレクター
Sumiyo Sumikawaモンテッソーリ国際学園

公益財団日本モンテッソーリ綜合研究所研究員。モンテッソーリ国際資格取得コース (AMS認定) ディレクター。日本にてモンテッソーリ教師の資格を取得。幼稚園教諭として幼稚園に5年間勤務。その後、更にモンテッソーリを学ぶために渡米。American Montessori Society (AMS) 認定の幼児及び小学部の資格を取得し、Casa Montessori School にて3-6歳児のクラス担任として7年間勤務。2003年 University of California Los Angeles、で心理学学士号取得。行動療法士として自閉症児の支援をし、その活動の一環として、自閉症やその他の障害をもつ子どもたちにミュージカル“Cats”を指導。障害児とその兄弟姉妹たちで結成した“Miraclecats”のディレクターを務める。2009年College of St. Catherineにて教育学の修士号取得。現在は、サンタアナ市に英語と日本語のバイリンガル教育の幼稚園、モンテッソーリ国際学園主宰。

モンテッソーリ国際学園

2717 S. Halladay Street Santa Ana, CA 92705

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