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一口に“歯科”といっても、その治療の専門性により細分化されています。細分化されることで、症状や原因に合わせた、より高度な歯科治療が患者さんに提供できるといったメリットがある一方で、初診時の患者さんには細分化された専門診療科と、それらの違いが分かりにくいといったデメリットがあります。
今回は、歯科大学病院や歯科専門医の受診時の参考になるように、(American Dental Associationの認める)歯科専門診療科について、代表的な専門診療科とその治療内容を紹介します。
- 2-1 Endodontics
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むし歯の進行や外傷、細菌感染など、さまざまな原因により、歯の内部にある神経や血管を含む軟組織(歯髄)あるいは歯の根やその周囲に炎症が起きると、歯はひどく痛んだり、さらには歯肉が腫れたりします。このような歯の内部・深部にある痛みや腫れの原因を診断、治療する専門の診療科です。
- 2-2 Oral and Microfacial Surgery
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歯や口の中、顎、顔面の病気(炎症、外傷、腫瘍、発育上の形成異常など)について総合的な診断と治療を行う専門の診療科です。
- 2-3 Orthodontics
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小児から成人まで幅広い年齢層を対象とし、不自然な位置にある歯やあごを整えて、きれいな歯並びやよく噛める咬み合わせにして、バランスのとれた口元を作り出すための診断、治療を行う専門の診療科です。
- 2-4 Pediatric Dentistry
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主に小児を対象とした歯科治療(むし歯、外傷、炎症など)や、むし歯予防処置(シーラント、フッ化物塗布など)を専門に行う診療科です。
- 2-5 Periodontics
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歯周病の診断と総合的な治療、メンテナンスを専門に行う診療科です。
- 2-6 Prosthodontics
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何らかの原因により、歯が欠けたり無くなったりした部分を差し歯(クラウン、ブリッジ)や入れ歯(義歯)などの人工物で補う治療の専門の診療科です。
上記の代表的な歯科専門診療科のほかに、歯科インプラント治療を専門に行うImplant Dentistryや、審美的な歯科治療を専門に行うCosmetic Dentistry、Aesthetic Dentistryといった各歯科病院や各大学ごとに特色を生かしたり患者さんのニーズに応じたそれぞれ独自の専門診療科があります。
患者さんの症状や原因に応じて、最適な歯科治療を提供するために、歯科の中でも専門性が細分化しています。これらは、かかりつけ歯科医と歯科大学病院ならびに専門医の連携のもとで成り立っています。専門科受診の際には、かかりつけ歯科医からの診療情報提供や紹介状が必要となります。また、治療法に関しては、個々の患者さんの状態や希望および主治医の経験などとも関係しますので、実際の治療においては、主治医や担当医とよくご相談ください。