あけましておめでとうございます。
2021年から開始した本コラムに続いて、22年はYouTube 「カリフォルニアから心の癒しチャンネル」をスタートしました。今年はオンラインを通じて、メンタルヘルスに関する情報を在米邦人だけでなくもっとたくさんの方に提供できるように活動する予定です。
今回は、新年にあたり、良好なメンタルヘルスを維持するためのポイントについてお話します。
自分を責めない! 日本人にありがちなクセをやめよう。
昨年、音声配信SNS「クラブハウス」のコミュニティーで開催されたセミナーでお話をさせていただく機会があったのですが、「自分はダメな人間だ」と思っている人がとても多いことを実感しました。自分を責め続けると、それが自分のメンタルヘルスの根幹になってしまいます。また「自分はダメだ」という見方で世の中を見ると、全てにそのフィルターがかかり、さらに自分を責めることを“自動化”してしまうこともあります。
うつや不安障害に悩んでいる人は自分を責めがちな人が多いのですが、もともと他人に配慮できる日本人に多い性質でもあります。
今年は、メンタルケアにおける抱負として「自分を責める」ことをやめ、自分に優しくしてみましょう。長年の思い癖を変えることは容易ではありませんが、ぜひ良好なメンタルヘルスを維持するように、少しずつでよいので挑戦してみてください。
オンラインで気軽に。セラピーやコーチングでメンタルケア
コロナ禍で心理セラピー業界は大きく影響を受けました。特にZoomなどのオンライン会議ツールを利用したテレヘルスセラピー(遠隔診療)事情はがらりと変わり、どこにいてもセラピーが受けられるので、今後も広範に利用される可能性が高くなっています。セラピーを受けたくてもクリニックに行くのは抵抗があるという方や、ビデオを使いたくない場合は音声に切り替えることができるなどメリットもさまざまです。デメリットとしては、セラピストがその場にいないので、危機的状況になった時のサポートをどうするかをしっかり決めておく必要がありますが、事前にセラピストと相談しておくとよいと思います。
アメリカでは、各州の州政府がセラピストの資格を発行しています。つまり、カリフォルニア州在住のセラピストの治療は州の住民しか受けることができません(一時的な滞在の場合は他州にいてもOK)。しかし、「コーチング」は州をまたいで受けることが可能です。近年、このコーチングという言葉を聞く機会を多いと思いますが、セラピーとコーチングの違いは、セラピーは過去に戻り、トラウマなどの癒しのためのプロセスを行うこと。一方、コーチングは今起きていること、そして将来の話や目的を達成するための方法などについて話し合うことです。スポーツやビジネスだけでなく、人生を考える「ライフコーチング」が広まっています。また「トランスパーソナル心理学」という新しい分野もあり、スピリチュアルを取り入れ自己実現や自己変革を行う心理学もあります。
もし、現在うつや不安などに苦しんでいるのであれば、それをセラピーで治療していくことが最も重要です。しかし、今自分の人生に何が起こっていて、自分の中にどんなリソース(リソースとは自分の中にある“資源”のことで、自信を芽吹かせる種のようなものです。種には、もともとその人が持っている強さや、指針、成熟度などのほか、好きな場所、信頼できる人などがあります)をどう使っていくかを模索しているのなら、コーチングもお勧めです。
一見、異なる分野に見えるのですが、実はセラピーもコーチングも心理学を応用します。良好なメンタルヘルスを維持するために、今の自分にはどちらが必要なのかを考えてみてもよいと思います。いずれもオンラインで受けることが可能な時代になっているので、一人で抱え込まず、少しだけ勇気を出して挑戦してみてはいかがでしょうか。
2023年は、冒頭でお伝えしたように、メンタルヘルスにおいて実際に有効な情報を提供したいと思います。「潜在意識の活用」や「子育てのワークショップ」「親子関係のコミュニケーション」など多彩なテーマをオンラインセミナーでお届けできればと考えています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。