米国における日系社会の喫煙率は日本と比べ低いという事は皆様もご存知の事と思います。
米国では喫煙に関する様々な文献がありその数は100万部にも上ると言われています。 その多くはタバコによる害についてのものであり今やタバコが癌や心臓病の一番の原因になっていることは常識として知られるところであります。
では実際に喫煙は歯の健康にはどういった影響があるのでしょうか?
喫煙は口腔内の粘膜に影響を与えます。 口腔癌もそのひとつですがそれが良性のものでも悪性のものでも何らかの腫瘍もしくは出来物の発生の元になっている可能性があります。 直接的にはタバコの葉に含まれる刺激性の物質、毒素、発癌性物質等によるものです。 また間接的に喫煙による口腔内の温度上昇、酸度の変化、また喫煙によるカビやビールスへの抗体の低下によるものであります。 口腔癌のある患者の80%以上が喫煙者という実態を考えるとやはり喫煙の影響を否定する事は難しいといえます。
また喫煙は歯槽膿漏にも大きく影響します。 ニコチンは毛細血管を収縮させます。 その為、口腔内の血液循環の状態が著しく悪くなります。 歯槽膿漏になるとりんごを噛んだだけで出血するようになりますが喫煙者の場合、ニコチンの影響で口腔内の出血が抑えられる為、自覚症状が殆どないものの実は重度の歯槽膿漏にかかっている場合が多々あります。
口腔内の腫瘍が悪性である可能性は喫煙者の場合非喫煙者の7倍というデータが示されています。 また腫瘍の治療後に喫煙をやめなかった場合の他の場所への再発は高い確立で起こる事が分かっています。 口腔内の出来物は Biopsy(組織採取)、つまりはその部分を切り取って検査所に送る事でその組織を検査する事が容易に出来ます。 良性であればよし、悪性であっても早期の発見であれば十分に治療が可能であります。 Biopsy はとても簡易に出来殆ど痛みもないため気になる場所がある方は喫煙、非喫煙者に拘らずにチェックをされる事をお勧めします。