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カイロプラクティックは面白い!

Updated on 2017/12/ 1

Vol.65 : 過度な筋トレにご注意! 肘や前腕をコントロールする筋皮神経

筋皮(きんぴ)神経(Musculocuteneous Nerve)は、頸椎神経のC5、C6、C7から始まり、腋を通り過ぎて鳥口腕筋(Coracobrachialis)を突き抜け、さらに上腕筋(Brachialis)と上腕二頭筋(Biceps Brachii)の間を通り抜けて前腕に到達します。

運動機能と感覚機能

運動機能は、上腕二頭筋、鳥口腕筋、上腕筋をコントロールします。これらの筋肉の役割は「肘を曲げる」「前腕を手のひらを上に向ける方向に回す」などです。感覚機能は、前腕の外側の皮膚感覚を支配しています。筋皮神経が圧迫を受けたり、ケガをしてしまった時、肘の上にケガや圧迫を受けた時は、運動機能が影響を受けます。しかしケガが肘より下の場合は、前腕の感覚機能のみが影響を受けることになります。

原因
  • 筋肉の中や間を通りすぎているので、筋肉のケガや圧迫によって症状が起こる。
  • 筋肉の過剰使用によって筋肉が硬直し、そのため神経が圧迫される。
危険要因
  • 腕神経叢(わんしんけいそう)へのケガ。
  • 上腕二頭筋による圧迫。
  • 激しい肘を伸ばす運動や、過剰に前腕を回す運動を行う。
  • エクササイズによる筋肉の肥大化。
症状
  • 肘を曲げられないもしくは虚弱感がある。
  • エクササイズ中の上腕二頭筋と上腕筋の弱体化しかし痛みは伴わない。
  • 前腕外側の皮膚感覚の麻痺。
  • 上腕二頭筋の反射の喪失。
  • 筋肉の退化や痙攣。
カイロプラクティック治療

筋肉を鍛えすぎて神経障害を起こしてしまうこともあります。筋力トレーニングをするときに注意して行うことが大切です。特に、図1部分の痺れや上腕二頭筋、上腕筋の脱力感を感じた時は、早めにカイロプラクティックドクターに相談してください。

  • 図1 筋皮神経の感覚機能です。神経に損傷を受けた時は、青いエリアが感覚麻痺を起こします。(画像出典:The Teachme Anatomy Cutaneous distribution of the musculocutaneous nerve. Fig.1.1)

  • 図2 上腕二頭筋と上腕筋です。神経はこれらの筋肉間を通り抜けています。またこれらの筋肉により圧迫を受けます。(画像出典:The Teachme Anatomy Muscles of the upper arm Fig.1)

  • 図3 筋皮神経の全体像です。(画像出典:How to Relief Anatomy Musculocuteneous Nerve: Course,Motor,Sensory & Common Injuries Motor Function of the Musculocuteneous Nerve)

Updated on 2017/12/ 1

お問い合わせ、ご相談はこちらからお気軽にどうぞ。

Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

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