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カイロプラクティックは面白い!

Updated on 2015/ 4/ 27

Vol.35 : 身体精神の成長 - 広範囲の成長障害(PDD-NOS, Pervasive Development Disorder- Not Otherwise Specified)

PDD-NOSとは、自閉症スペクトラム症の中で軽度の症状の障害です。症状には「自閉症」「ADHD」「アスパーガー症」などいくつかあるのですが、診断基準を満たさないので、診断名を下す事が出来ない比較的に軽度障害のことを言います。

特徴としては、社会性や意思疎通、コミュニケーションの発達の遅れがあります。特にコミュニケーションの発達は、子供たちが大きくなるに従い大きな問題になります。

子供時代には、言葉への理解や言葉の使用法の発達の遅れ、毎日の儀式的な慣習を変えられない、体の病的な反復持続運動などがあります。

PDD-NOSは時に、限界値以下の自閉症(Subthreshold Autism)、不定型自閉症(Atypical Autism)と呼ばれる事もあるほど、自閉症に似た症状があるのですが、診断基準を満たすほど重度の症状ではないか、または診断を下すための基準の症状の数を満たしていないという理由で、自閉症などの診断を出来ない時にこのPDD-NOSと言うカテゴリーに入れられてしまいます。このPDD-NOSの診断名は比較的新しく、約15年くらい前から使用されるようになりました。

PDD-NOS 3種のグループ
1. 高機能グループ
  1. 症状がアスパーガー症と重なるものが多い。
  2. しかしアスパーガー症と違い言語や認識障害がある。
  3. 一般的にアスパーガー症は言葉や認識障害はない。
2. 第二グループ
  1. 症状が自閉症に似ている。
  2. しかし自閉症の診断基準を満たすことが出来ないのでPDD-NOSとなる。
3. 第三グループ
  1. 自閉症の診断基準は満たしているが、病的な反復持続(Stereotypical and Repetitive )などの振舞いは、自閉症に比べだいぶ軽度である。
PDD-NOSの症状
  • 生後12ヶ月で自分の名前を呼ばれても反応しない。
  • 生後14ヶ月で自分の興味のある物を指差さない。
  • 生後18ヶ月で“何とかごっこ”遊びをしない(例:人形にご飯を食べさせるふりや、おままごとなど)
  • アイコンタクトを避ける。一人でいたい。
  • 人の感情の変化に無頓着である。また自分の気持ちを表現する事が出来ない。
  • 言語や話し言葉の遅れがある。
  • しつこいほど人の口真似を繰り返しする(Echolalia)。
  • 質問に対して食い違った答えをする。
  • 生活習慣の変化を嫌う。
  • 物事に異常に執着する。
  • 体の部分(手を叩いたり、体を休みなく動かす)を繰り返し動かす。
  • 音、香り、味、感触、見た目に異常な反応をする。
PDD-NOS特徴的な症状別チェックリスト
病的な反復持続運動、得意とすること、興味のあること、振舞いのチェックリスト
  • □ おもちゃなどを延々と並べて遊ぶ。
  • □ 毎回同じおもちゃで同じような遊び方をする。
  • □ 非常に几帳面である。
  • □ 物の配列や習慣に非常にこだわる。
  • □ 何か変化があることをとても嫌う。
  • □ 日常生活でたくさんの儀式的行為を好み、その習慣が乱される事をとても嫌う。
  • □ 食べ物の好き嫌いが多い。また好き嫌いを食べ物の味よりも口触りや歯触りで決める。
  • □ 土などの本来食べられない物を食べる。
  • □ 食べ物の匂いを気にする。
  • □ 痛みに対して感覚が鈍感である。
  • □ 危険な物に対して鈍感である。(例:熱い鍋、お湯など)
  • □ なんでもないことにかんしゃくを立てる。
  • □ 物事に異常に執着する。
  • □ 頻繁に手指を動かしたり、つま先歩きをする。
  • □ 物を回すことがとても好き。
  • □ 自分も回る事が好き。
  • □ 物の部品が好き。
  • □ 物事に異常に固執するので、その事に対して非常に詳しくなる。
  • □ 物を踏みつけて歩く、またそれを気にしない。
社会性、コミュニケーションの発達の遅れのチェックリスト
  • □ 他人の言葉をオウム返しにしゃべる(Echolalia)。
  • □ 本人独特の言葉を使用する。
  • □ 同じ言葉を繰り返して使う。
  • □ 自分の興味のあることのみを話すので、どうしても口数が少なくなる。
  • □ 自分が興味を持つ対象物に関してはよく話す。
  • □ 代名詞を間違って使う。
  • □ 自分を指すときに代名詞ではなく名前を使う。
  • □ 質問に対し関係のない答えをする。
  • □ 会話の受け答えでまったく関係のない話をする。
  • □ 物を指差さない。
  • □ 指差されたものに反応をしない。
  • □ ほとんどジェスチャーをしない。
  • □ 話し方が非常に平坦である。
  • □ 名前を呼ばれても反応しないか鈍い。
  • □ 何かになりきって遊ぶということをしない。
  • □ 冗談や皮肉、からかいが通じず言われた事をそのまま受け取る。
社会的な障害のチェックリスト
  • □ アイコンタクトを極力避けようとする。
  • □ よくそっぽを向く。
  • □ 友達を作る事に興味がない。
  • □ 友達と遊ぶ事に興味がない。
  • □ 物や自分の興味のある事を、親・友達と分かち合おうとしない。
  • □ 一人で遊びたがる。
  • □ 自分の独特な興味の世界で生活する。
  • □ 自分から会話や行動を起こそうとしない。
  • □ あまり笑わない。
  • □ 他人を道具のように使う(例:母親に開けて貰いたい瓶があっても、開けてくれとは言わずに、母親の手を瓶の蓋に持っていったり、蓋を見つめて待つ)。
  • □ 顔の表情が少ない。
  • □ 姿勢がおかしい。
  • □ 個人のスペースが分からないので、話す時に近すぎたり、遠過ぎたりすると他人から言われる。
  • □ 他人との体の接触を嫌がる。

PDD-NOSは軽度ではありますが、自閉症やADHDなどの症状を持ち合わせているため、当然PDD-NOSから自閉症やADHDに進展していく事もあります。

チェックリストを参考にして気になる事がありましたら、専門家に相談してください。

Updated on 2015/ 4/ 27

お問い合わせ、ご相談はこちらからお気軽にどうぞ。

Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

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