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カイロプラクティックは面白い!

Updated on 2014/ 3/ 26

Vol.22 : 身体の成長 - 言語 (Language) と話し方 (Speech)

言語 (Language) と言うのは、ある一定の社会的な同意によって成り立ち、その規則に沿ってコミュニケーションが行われる事で、それには以下のような条件を満たすことが必要になります。

  1. ある単語がどのような意味を示すのか。
  2. 新しい単語を作るためのルール。
  3. どうやって単語を繋げていくか。
  4. どういった単語を繋げれば、その状況にふさわしい文章ができるのか。

話し方 (Speech) とは、言語という知識を表す方法です。 話すと言う事は舌、口、唇、あご、声帯の筋肉の動きが、正確にコントロール、同調されて起こる音声によって表されるコミュニケーションの事です。

言語 (Language) と話し方 (Speech) の発達はどの様に行われるかというと、人生の最初の3年間が最も大事な時期になります。 この時期に何らかの遅れが出てきますといろいろな障害を残してしまう事になります。 この言語 (Language) と話し方 (Speech) の機能発達は、この大事な3年の内にたくさんの聴覚や視覚の刺激への接触と、日常的に他の人たちからの言語、話しの入力がどれくらい行われるかによって変わっていきます。 数々の研究結果が示すように、成長する子供たちの脳はスポンジが水を吸い取るようにこの時期に言語を学んでいきます。 もしこの大事な時期にたくさんの刺激を与えないでしまうと、その後に言語を学ぶ事が難しくなってしまいます。

以下に言語の発達のマイルストーンを記しましたので、参考にしてください。 また加えて、果たしてお子さんが言語発達のマイルストーンに達しているかどうか、のチェックリストも作成しました ( 「Yes」 または 「No」 で答えてください。 もし 「No」 がありましたら問題です)。

言語 (Language) の発達マイルストーン
【生後6ヵ月】
  • 抑揚をつけて音声を発する事ができる。
  • 自分の名前が呼ばれたら反応する。
  • 声が聞こえた方を振り向いたりして反応する。
  • 声の調子の違いに (例えば怒られている声の調子、ほめられている声の調子など) 適切に反応する。
【チェックリスト: 生後5ヵ月】 「Yes」または「No」で答えてください
  • □ 大きな音に反応するか。
  • □ 音のした方に顔を向けるか。
  • □ 子供と話している時あなたの顔を見るか。
  • □ 嬉しい時、不快なとき音を出して反応するか。
  • □ 話しかけられた時声を出すか。
【生後6ヵ月から9ヵ月】
  • 音のした方向を探す。
  • 話し声や物音を集中して聞く。
  • 自分の名前に反応する。
  • 声の変化で感情の違いが分かるようになり、それに反応する。
  • 自分の感情の変化を動作や声で表す。
  • 声の高さ、声量、抑揚を変化させて、いろいろな表現で試す様になる。
【チェックリスト: 6ヵ月から11ヵ月】 「Yes」または「No」で答えてください
  • □ 「No」 と言う事が分かるか。
  • □ ママ、ダダ、ババなどの声を出すか。
  • □ ジェスチャーや動作で意思の疎通を図ろうとするか。
  • □ 親の言った事を繰り返して真似しようとするか。
【生後12ヵ月】
  • 自分の名前が理解できる。
  • 2から3つの単語を使うことができる。
  • 家族の口調を真似る。
  • 簡単な指示が理解できる。
  • 単語の意味が理解できるようになり、それを指し示す事ができる。
  • ジェスチャーを理解できる。
  • 注意を引く時に泣く以外で、音や動作で注意を引こうとする。
  • 大きな声を出したり、叫んだりする。
  • ほとんどの母音、子音を使える。
【1才から2才児】
  • 「No」 と言う事が理解できる。
  • 10から20語の単語を使う (名前も含む)。
  • 2つの単語を繋いで使える。例えば“Daddy, bye bye”の様に。
  • よく知っている動物の真似ができる。
  • おもちゃを 「頂戴」 と言われた時に 「ハイ」 とくれる。
  • 自分の欲求を示すために“もっと”などの言葉を使い始める。
  • 自分の鼻、目を指し示す事ができる。
  • 他の部屋にある物をもし持ってきてと言われた時に、持ってくる事ができる。
【チェックリスト: 1才から1才半】 「Yes」または「No」で答えてください
  • □ 本を見たりおもちゃで遊んだりする集中時間が2分あるか。
  • □ 動作を交えた簡単な指示に従えるのか。
  • □ 簡単な質問に言葉ではなく動作で答えられるのか。
  • □ 物、家族、写真などを指させるか。
  • □ 2から3語の言葉を使えるか (発音は必ずしも正しかったり明瞭ではない)。
  • □ 簡単な言葉の真似をしようとするか。
【2才から3才児】
  • 体の部位が理解できるようになる。
  • 独り言や、人形と会話をして遊ぶ。
  • 「あれは何?」 「私のおもちゃはどこ?」 などの質問をするようになる。
  • 2つの単語を使って欲しくないという表現をする。 例えば 「これいらない」 等。
  • 複数が理解できる (例えばBook、Books)。
  • 大体450語位の語彙がある。
  • 自分の名前を言える。さらに指で自分が何才か教える。
  • 名詞と動詞を使うようになる。
  • 昨日、明日などの簡単な時間の概念が分かり始める。
  • 自分のことを名前ではなく、私、僕のように呼び始める。
  • 「見て! 見て!」 のように大人の気を引こうとする。
  • 気に入った物語を何回も聞きたがる。
  • イエスの意味なのにノーと言う。
  • 他の子供たちと話すようになる。
  • 「どこ」 と言う質問をする。
  • 知っている物の名前を言える。
  • 3、4色の色を識別できる。
  • 大きい物と小さい物の区別ができる。
【チェックリスト: 1才半から2才】 「Yes」または「No」で答えてください
  • □ 本を読んでもらうことが好き。
  • □ ジェスチャーなしでの指示に従えるのか。
  • □ 鼻、口など、からだの部分を指し示す事ができるか。
  • □ 寝る、食べるなどの動詞がわかるようになっているか。
  • □ ほとんどの母音の発音ができる。
  • □ 8から10語の言葉が言えるか。
  • □ 食べたい物を名前で教える。
  • □ ワンワン、ニャーニャーなど動物の鳴きまねができる。
  • □ 2つの単語を使って話すようになる。
  • □ 「これは自分の物」 などと言う事を話し始める。
【チェックリスト: 2才から3才】 「Yes」または「No」で答えてください
  • □ 2才児で50語くらいの単語を使えるようになっているのか。
  • □ 上、下、内などの概念を理解し始めているか。
  • □ あなた、私などの代名詞が分かるようになる。
  • □ 幸せ、大きい、小さいなどの形容詞が分かるようになる。
  • □ 簡単な質問に答えられる。
  • □ 2から3語の単語を使って話ができる。
  • □ 質問形の言葉が使える。
  • □ 複数形、過去形の言葉が使える。
【3才から4才児】
  • 物語を話せるようになる。
  • 4から5語の単語を使った文章で話す事ができる。
  • 大体語彙が1,000語ある。
  • 少なくとも1色の色の名前を言える。
  • 昨日、今日、お昼、夏、冬などの言葉が分かる。
  • 指示に対してそのとおりの事ができる。
  • 自分の名前、自分の住んでいる通りの名前が分かる。
  • 多くの童謡を歌える。
【チェックリスト: 4才から5才】 「Yes」または「No」で答えてください
  • □ 物をカテゴリーにして考えられる (例えば洋服や食べ物など)。
  • □ 色が分かるようになっているか。
  • □ 他人が話を聞いても理解できる話し方ができる。
  • □ 物を描写して表現できる。
  • □ 言葉遊びができる。
  • □ 自分の感情、アイデアなどを表現できる。
  • □ 進行形などの表現ができる。
  • □ 文章を真似する事ができる。
【4才から5才児】
  • 過去形の文章を正しく使える。
  • 語彙は大体1,500語ある。
  • 色を指して正しく名前を言う事ができる。
  • 三角、四角、円などが認識できる。
  • 朝、午後、次などの言葉が理解できる。
  • 希望的な文章で話せる (例えば 「おもちゃが手に入ったらいいな」 など)。
  • 誰、何故、何処などの質問をたくさんするようになる。
【チェックリスト: 4才から5才】 「Yes」または「No」で答えてください
  • □ 3次元的な概念が分かる (例えば、後ろ、前、隣など)。
  • □ 少し複雑な質問が分かる。
  • □ 話し方ははっきりしてくるが、まだ長い言葉などで発音間違いをする。
  • □ 200から300語くらいの単語を使う。
  • □ 物事の手順を説明できるようになる。
  • □ 物のカテゴリーが分かるようになり、そのカテゴリーに入る物をリストできる (例えば、動物、電車、乗り物など)。
  • □ 「何故」 と言う質問に答えられる。
【チェックリスト: 5才】 「Yes」または「No」で答えてください
  • □ 語彙が大体2,000語くらいある。
  • □ 時間的な順番が理解できる (例えば何が一番に起こり、次はこれが起こる等)。
  • □ 会話ができるようになる。
  • □ 8語以上の単語を使った文章を作れる。
  • □ 複雑な文章が作れる。
  • □ 物を描写できる。
  • □ 物語を創作できる。
【5才から6才児】
  • 5から6の単語を使った文章を話す事ができる。
  • 語彙は2,000語くらい。
  • 物を使用する目的で話す事ができる。お箸やフォークはご飯の時に使うなど。
  • 空間的な関係が理解できるようになる (例えば、棚の上、机の下など)。
  • 自分の住所が分かる。
  • お金、コインの種類の違いが分かる。
  • 簡単な反対語が理解できる。大きい、小さい、右、左など。
  • 同じ物と違う物の区別ができる。
  • 10まで数える事ができる。
  • 情報を得るために質問をする。
  • 6才児は自分の文法間違いや、発音間違いを直すことができる。
  • 話はかなり知的になってくる。
【7才児】
  • 反対語の意味がわかってくる (例えば、男の子、女の子、鋭い、鈍いなど)。
  • 時間の感覚が詳しく分かるようになる。 15分単位で理解できる。
  • 本を読み始める。
  • 簡単な文章を書くことができる。

6才から8才で、ほとんどの子供は語彙が2倍に増えます。

言語・話し言葉の発達障害について

言語、話し言葉の発達障害、遅延と言うのは、どのような状況、環境又は他の障害によって起こるのでしょうか。
最も一般的なことは

  • 言語以外の機能発達のみに力を入れすぎてしまった結果。
  • 兄弟が通訳のような事をしてくれたために、自分で意思の疎通をしない機会が多くなってしまった。
  • 適切な言語の刺激環境がなかった。
  • 1対1の言語の刺激が少なすぎた。
  • バイリンガルのために学ぶ言葉が多すぎた。
  • 精神薄弱
  • 成長障害
  • 聴力障害
  • 学習障害 (Learning Disorder)
  • 脳性まひ (Cerebral Palsy)
  • 自閉症 (Autism)
言語の発達障害と話の発達障害の違い

言語の発達障害には2つのタイプがあります。

1. 受容性の言語発達障害
これは子供たちが、他の人たちの話している言葉、または意味する事が理解できない障害です。
2. 表現性の言語発達障害
子供が自分の意思を言葉によって表現できない障害です。

話の発達障害は発声が上手く出来ない、どもってしまい上手く話せないなどによって起こる障害になります。

話す事が年令に不適切なほど遅いという事が少しでも気になりましたら、上記のチェックリストで調べて見てください。 何か問題があると思いましたら、早めに対策を立てる事が望ましいです。

Updated on 2014/ 3/ 26

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Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

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