びびなび

強迫反応障害 （OCD） は不安障害のひとつで、偏執感覚 （Obsession） と強迫観念 （Compulsion） という2つの特徴的な症状が現れます。 偏執感覚 （Obsession） は、繰り返し頭に浮かんでくる不快な考えの事で、このいらいらする考えを抑えるために行わなくてはならない行為や儀式を強迫観念 （Compulsion） と言います。 この儀式を続けていくと、一旦は安心感を得ることができるのですが、却って強迫観念 （Compulsion） をだんだんと強くする結果になってしまいます。

誰もが、心配したり不安を感じたり、怖いなあ、嫌だなあ、と思う事があると思いますが、これらは普通の感情で、自分を防御する本能ですからそう頻繁に起こりませんし、また長くは続きません。 しかし強迫反応障害の方の大脳は 「これは良い情報」 「これは悪い情報」 とフィルターにかけて感情が極端になる事を防ぐ事が出来ず、不安や心配などの感情が極端になってしまい、ちょっとした心配事が強迫観念にまで進展してしまいます。

強迫反応障害は、18才から54才のアメリカ人に約300万人いると言われています。 これはこの年齢層の2.3％にあたり、男女比は同じです。

みなさんの周りにもいらっしゃるかもしれませんが、極度の潔癖症の方は、沢山の人が触るようなもの、例えばドアの取っ手などは絶対にバイ菌があると気になって触ることができません。 また自分がこうだと決めた事がきちんと出来ないと、出来るまでその行為を繰り返します （戸締り、化粧、掃除など） 。 さらに台所や机の上の物が少しでも乱れていたら我慢が出来なくて必ず直さなくてはならないなど、その為に他の人が迷惑しても関係なくなってしまうのです。

• バイ菌やごみへの恐怖
• 体液や汗などへの嫌悪感
• 何かに感染しないかと言う観念があるので、握手や物に触るのを嫌がる
• 手を洗いすぎて皮膚炎を起こしてしまう
• 場所、周囲の環境において不適当な事をしてしまう、又は言ってしまう衝動がある
• 全てがきちんと整理整頓されていなければいらいらする
• 作業や仕事がきちんと出来ているかいつも心配している
• 邪悪な考えへの恐怖がある
• ある一定の音、イメージ、言葉、数字などを常に考え続ける
• 常に安心感を得たい、または大丈夫と言ってもらいたい
• 髪の毛を引っ張りすぎて抜いてしまう

• 異常にきれい好き、頻繁にシャワーを浴びる、繰り返し歯を磨く、繰り返し手を洗う
• 火の元やドアの施錠の確認などを繰り返し行う
• 同じ動作を儀式のように繰り返す
• 全ての物が自分の思ったようにきちんと整理されていないと気が済まない
• いらない新聞や手紙をいつまでもとっておく
• いつも安心感や承認を探し求める

強迫反応障害の原因と危険要因はさまざまですが、ある研究によると、脳内伝達物質のセロトニンが強迫反応障害の方は少ないのではと言われています。 つまりセロトニンが脳内でブロックされると脳のアラームシステムが過剰反応するようになり、安全な刺激を誤解して危機反応を起こしてしまうようになるのです。

また家族のなかに強迫反応障害の方がいたら危険度が上がります。 また強迫反応障害の方の脳は、正常の脳と違う活動パターンを持っているため、長い間習慣的に学んできたことが異常な状態で身についてしまい症状が現れてしまうこともあります。 そしてストレスの高い生活をしていると、それに対処するために強迫反応障害になってしまうこともあります。

• 自殺願望があり、そのような振る舞いをする
• アルコールや薬物中毒
• うつ病
• 食障害
• 皮膚病
• 強迫偏執観念の為に学校や仕事場に行けない
• 人間関係の問題