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アメリカ移民法・ビザ申請の基礎

Actualizada en 2024/ 5/ 1

107 vez : アメリカで起業したのに「E-2」ビザが却下された!どうすればいい?

Q

私は何年も前から、アメリカでビジネスを行い家族も一緒に生活することを計画していました。コロナの影響で予定がかなり延びたのですが、今年になってから予定していた美容サロンのビジネスをオープンしました。しかし、「E-2」ビザの申請を行ったところ、アメリカ大使館での面接で却下されてしまったのです。これまで貯蓄してきた財産の大半を使ったにもかかわらず、渡航することもできず非常に困っています。何か良い方法はあるでしょうか。

A

「E-2」ビザが却下された場合、ESTA(ビザ無しでのアメリカへの渡航)の登録をすることができなくなるためアメリカへの渡航はできなくなります(登録済みの場合もキャンセルになります)。このケースでは、ビジネスの後片づけをするという理由で「B-2」ビザを申請する方法も考えられますが、アメリカ大使館は「B-2」ビザを発行すると、その保持者がアメリカにおいて不法に働くことを懸念して、却下直後のビザ発行は、再度却下されるリスクがあります。また、再度「E-2」ビザを申請した場合でも、アメリカ大使館はいったん出した判断を容易に覆すことはしない傾向にあるため、同じ内容で申請を行うと、かなりの可能性で却下されると考えられます。

あなたの場合は、以下のような方法が考えられます。まず、上述したようにアメリカ大使館は、いったん出した判断をすぐには変えない傾向があります。一般的には、1年の期間を置く必要があると言えます。しかしながら、あなたの場合すでに新規ビジネスを起こしているため、1年もの期間を待つわけにはいきません。従って、すぐに再申請を行うには、前回の申請の時の内容から大幅な変更を行う必要があります。言い換えると、アメリカ大使館の前回の判断が間違っていたわけではなく、そこには足りない要素が存在していて、それを今回は十分に補っているものであることを大使館が納得する内容であることです。

そこで、まずは、却下された理由を分析する必要があります。大使館が直接却下の原因を伝えてくれることもあれば、そうでない場合もあります。そうでない場合は、面接の際の審査官とのやり取りから予測できる場合や、面接前に大使館から請求された資料などがあれば、そこから原因を探れる場合もあります。大使館が却下する理由としては、多種多様な原因が考えられるため、全てを網羅するのは困難ですが、大きくは次の理由が考えられます。

却下される理由
  1. まず、単純に投資額が少ない場合です。この場合は増資を行い、さらにその資金を「初期投資」として該当する使用目的に使うことです。「初期投資」として考えられるのは、機材、物品の購入、改装費などが代表的ですが、コンサルタント、リサーチ、マーケティング、会計士の費用なども含まれます。
  2. 次に考えられる理由が、現地の従業員の数が足りていないことです。アメリカ政府は、新規事業に対しては、アメリカ国内での雇用に貢献することを期待します。従って、前回の申請で、現地の従業員を十分に雇っていない場合は、新たに雇用を増やし、給与を支払い、その支払い証明を提出するのが良いと思います。サロンであるならば、申請者以外に合計5人以上の従業員を雇っているのが理想的です。ここで言う従業員とは、アメリカ人(国籍保持者)に限らず、グリーンカード保持者、「Lビザ」「Eビザの配偶者」「OPT保持者」など、合法的にあなたの会社で就労することができる人を全て含みます。合法的に就労できる証明として、さらには新たに従業員を雇ったことを強調するため、従業員全員の「I-9フォーム」を提出するのが良いと考えます。「I-9フォーム」は、移民局のホームページからダウンロードすることができます。

最後に、あなたの経験に関してですが、アメリカ大使館は、仮に投資を行ったとしても、申請自身が当該ビジネスを運営できるだけの知識・能力があるかどうかもその審査対象とします。もし、あなたにサロン経験が無いような場合には、仮にそれ以外の領域であっても、マネジメントを行った経験を明確にレジュメに表すこと、および次回の面接でうまく説明できるように準備しておくのが良いと思います。

次回の申請の際には、上記のどれか1つだけにこだわる必要はなく、例えば、増資を行った上で、従業員の雇用も増やすなどの複数の改善策を講じるのも賢明な選択肢であると言えます。いずれにしても、今回の変更部分を加えた事業計画書を提出するのが重要です。また、加えて重要なのが、次回の面接においてこの変更部分がうまく説明できることです。なぜなら、この説明が説得力ある形でできることが、あなたが、このビジネスを運営することができる能力を持ち合わせているかどうかの評価にもつながるからです。

上記を考慮し、変更部分は大きければ大きいほど、認可の可能性を上げることになりますので、十分な準備を行って再申請をされることをお勧めします。

注意事項 : コラム内で提供しているビザ・移民法に関する情報は一般的な情報であり、個人の状況や背景により異なる場合がございます。的確な情報詳細につきましては、移民法専門の弁護士にお問い合わせください。

Actualizada en 2024/ 5/ 1

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Columnist's Profile

CEO/Attorney
瀧 恵之瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

新潟大学法学部卒業。日本の法律事務所に勤務の後、インディアナ大学大学院卒業。20年以上に渡り、移民法の分野で活躍。常にクライアントの立場に立った柔軟なアドバイスが特徴。

瀧法律事務所 Taki Law Offices, A Professional Corporation

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