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Vol.653 より安全なチャイルドシートの使用を!
9月21日から30日までは秋の全国交通安全運動の期間です。
2024年における警察庁及び(一社)日本自動車連盟(JAF)の調査(※1)によれば、我が国における6歳未満のチャイルドシートの使用率は78.2%であり、チャイルドシートの義務化以降、未だに100%には至っていません。なお、同調査における年齢層別の使用率を見ると、1歳未満は91.7%、1歳から4歳までは80.7%であるのに対し、5歳では57.9%と低くなっています。
また、チャイルドシートの不使用者の致死率は、適正使用者の約4.2倍となっており、チャイルドシートを適正に使用していなかった場合、交通事故が起きた際に手遅れになりかねません。
消費者庁には、交通事故等が起きた際にチャイルドシートを適正に使用しておらず、けがをしたという事故情報が医療機関から寄せられています(※2)。
・「こどもが後部座席に取り付けたチャイルドシートに座っていたところ、保護者が運転する車が時速40km程度で電柱に衝突した。保護者が気付いた時には、こどもがチャイルドシートに座った状態で、車の側面に頭部を打撲し出血していた。頭蓋骨陥没骨折、急性硬膜下出血、脳挫傷及び脳神経の損傷が認められ、入院となった。こどもが嫌がるため、日頃からチャイルドシートの肩ベルトを付けていなかった。」(2歳)
・「自家用車の後部座席に取り付けたチャイルドシートにこどもを乗せ、時速30km程度で走行していた。自転車が飛び出してきたため急ブレーキをかけたところ、こどもが転落し、後頭部を打って血腫ができた。こどもが座っていたチャイルドシートは学童用(ジュニアシート)で、上の子のために取り付けたものだった。」(1歳)
・「チャイルドシートを取り付けていない試乗車にこどもと乗ったところ、駐車の際にこどもが転落した。頭頂部を挫創して出血し、3針の縫合が必要となった。」(1歳)
チャイルドシートを使用していても、正しく座らせていなかったり、体格に合っていなかったりした場合には、チャイルドシート本来の機能が発揮できないことがあります。以下の点に注意し、正しく使用しましょう。
○こどもが6歳になるまでは必ずチャイルドシートを使用し、6歳以上になったとしてもシートベルトを正しく使える体格になるまでは、チャイルドシートを使用しましょう。短時間であったとしても使用してください。
○チャイルドシートは取扱説明書をよく読んで、取付可能な座席に確実に固定し、こどもの体格などに応じ、シートの角度や背面の高さ、ベルトの長さを調節し、バックルを確実に締めましょう。
○チャイルドシートを購入等する際は、使用する車に適合しているか(※3)や国土交通省の定める保安基準に適合したマークが付いているか(※4)を確認しましょう。
○シートベルト固定方式よりも誤使用の少ないISOFIX固定方式(※5)のチャイルドシートを使用しましょう。新たに購入等する際は、新安全基準であるUN-R129(※6)に適合したチャイルドシートを選択するとよいでしょう。
チャイルドシートは、こどもの大きさや固定タイプなどによって、製品ごとに取付け方が異なります。取扱説明書に加え、シートベルト・チャイルドシート着用推進協議会のチャイルドシート取付動画(※7)も参考に、正しく取り付けましょう。
※1:警察庁「子供を守るチャイルドシート」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html
※2:消費者庁は(独)国民生活センターと共同で、平成22年12月から、医療機関(令和6年9月現在で32機関が参画)から事故情報の提供を受けています(医療機関ネットワーク事業)。
※3:チャイルドシートメーカーなどから出されている「車種別チャイルドシート適合表」などで、使用する自動車に取り付けられるかどうかを確認しましょう。もし、適合するかどうかが分からない場合、メーカーに直接確認しましょう。
※4:国土交通省の定める保安基準への適合が確認されたチャイルドシートには、いわゆる「Eマーク」(〇の中にアルファベットのE及び装置を認可した国の番号(日本の国番号は43)が併記されたマーク)が添付されています。なお、保安基準に適合したものでなければ、使用することはできません。
※5:シートベルトを使用せず、専用の金具で座席に固定する方法で、誰でも簡単・確実に取り付けることができます。従来のシートベルト固定方式では、誤った取付けによる使用が多かったため、2006年10月にチャイルドシートに関する基準見直しが行われ、共通取付具(ISOFIX)により固定するタイプが販売されています。
※6:2023年9月以降は、新安全基準である「国連の車両等の型式認定相互承認協定第129 号(UN-R129「新幼児拘束装置」)に適合したもののみが製造可能となっています。
現在、UN-R129に適合したチャイルドシートとして製造されている代表的なものには、「一体型汎用 ISOFIX 改良型幼児拘束装置(i-Size)」と「非一体型汎用改良型幼児拘束装置(i-Sizeブースターシート)」があります。これらはISOFIX固定方式となっているほか、前後からだけでなく側面衝突時の安全評価が追加されています。また、装着基準について、これまで体重に応じて区分されていたものが、身長に応じて区分されるようになったため、より体格に合わせられるようになりました。このように、新安全基準(UN-R129)では、様々な面でチャイルドシートの安全性向上が図られています。なお、UN-R129に適合したチャイルドシートでは、首の発達を保護するため、生後15ヶ月までのこどもは前向きでチャイルドシートを使用しないよう注意する必要があります。
※7:シートベルト・チャイルドシート着用推進協議会「啓発用コンテンツ」
https://seatbelt-childseat.jp/contents
(参考)
国土交通省「チャイルドシートコーナー」
https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/childindex.html
(独)自動車事故対策機構「チャイルドシートの使い方」
https://www.nasva.go.jp/mamoru/assessment_child/how_to.html
国土交通省・(独)自動車事故対策機構「チャイルドシートアセスメント2024.3」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02assessment/data/pamphlet_child_r6.pdf
(一社)日本自動車連盟「はじめてのチャイルドシートクイックガイド」
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/protect-life/child-seat
(過去の関連メール)
Vol.603 正しく使用していますか? チャイルドシート
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20220916
Vol.534 チャイルドシートを正しく使用し安全なお出かけを!
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20201210
◆本メールの内容は消費者庁ウェブサイトでもご覧いただけます。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20240920/
○「消費者庁 こどもを事故から守る!」公式X(旧Twitter)について
様々なこどもの事故防止に役立つ情報を随時発信しています。
=> https://twitter.com/caa_kodomo
○こども向け商品などのリコール情報を掲載しています。
=> https://www.recall.caa.go.jp/result/index.php?screenkbn=05
■ 消費者庁サイトはこちら(PCサイト)
=> https://www.caa.go.jp/
■ 過去の「こども安全メール from 消費者庁」を見る(PCサイト)
=> https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/
■ メール配信の停止はこちら
=> https://mmw.caa.go.jp/mail/u/l?p=mqrZ-N895gFfrg3UX
(配信元)消費者庁 消費者安全課
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