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「あおもり歴史トリビア」第595号(令和6年3月29日配信)
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〈青森市メールマガジン〉
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皆さん、こんにちは。文化遺産課の設楽です。
前回の担当分(令和5年12月22日配信No.583)では、12月1日が「鉄の記念日」となった由来に関連して、江戸時代の弘前藩領における鉄の生産地の一つに「奥内鉄吹」があり、奥内地区をはじめとした青森市北部の山間部では、近年、大量の鉄滓(※1)が落ちている場所がいくつか確認されていることをご紹介しました。
青森市北部では、このような製鉄遺跡が4遺跡確認されており、今回はこの中で六枚橋地区の山城溜池遺跡、内真部地区のカナクソ沢遺跡をご紹介します。
山城溜池遺跡は、六枚橋地区の山間部にある溜池の北西岸に位置し、溜池北西岸にある丘状の地形の斜面において鉄滓が大量に確認されています。平成19年(2007)に青森市教育委員会によって、部分的な発掘調査が行われており、大量の鉄滓が確認された斜面頂部の平坦面から焼土を伴う遺構や木炭窯とみられる遺構などが確認されています。現在のところ、製錬炉(※2)は見つかっていませんが、斜面において大量の鉄滓が確認されたことから、付近に製錬炉が存在し、鉄の生産が行われたと考えられます。出土した陶磁器の年代や木炭の年代測定結果などから、遺跡の時期は、中世〜近世と推定されます。
カナクソ沢遺跡は、内真部川支流の白滝沢に合流する「カナクソ沢」という名称の沢に位置します。カナクソ沢は、その名のとおり鉄滓が大量に落ちていることが由来と考えられます。カナクソ沢を50m進んだ北岸と、更に30m進んだ東岸の2箇所において、沢に張り出す丘状の地形があり、沢に面した斜面から大量の鉄滓が確認されています。これまでに発掘調査は行われていませんが、2箇所ともに大量の鉄滓が確認された斜面頂部の平坦面から鉄滓や木炭が広がる範囲が確認されていることから、この範囲内に製錬炉が存在し、鉄の生産が行われたと推定されます。また、カナクソ沢北岸の平坦面から北側に50mほど尾根を進んだ地点には、炭化物が広がる範囲が確認されていることから、この辺りに木炭窯が存在し、鉄生産に必要な木炭を生産していた可能性があります。今のところ、遺跡の時期はわかっていません。
※1鉄滓(てっさい) 鉄生産の折に排出されるかす
※2製錬炉(せいれんろ) 砂鉄を木炭と共に燃焼させ、酸素を取り除くための粘土製の炉
(令和5年6月30日No.560参照)
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